7月前半のビットコイン/日本円(BTC/JPY)マーケット概況
7月前半のビットコイン/日本円相場は以前に比べると楽観論が台頭しているようで、若干の反発をみせました。ここまで軟調な推移を見せていたドル建て価格が強含む場面もあり、一時74万円まで上昇する場面も。
それでは、具体的な流れを振り返ってみましょう。金融庁による仮想通貨取引所への行政処分などをきっかけに70万円を割り込み、年初来安値水準である65万円まで下落していたビットコインですが、6月30日に急上昇。背景には大手仮想通貨取引所ビットメックスの最高経営責任者(CEO)、アーサー・ヘイズ氏が「ビットコインは年末までに5万ドルに到達する」と強気の発言をしたことがあるようです。発言を受けドル建て価格が急上昇、これにサヤ寄せする格好で円建て価格も70万円を回復、73万円まで上昇しました。
順調なスタートを切った7月ですが、大手仮想通貨取引所バイナンスが4日、緊急メンテナンスを行い一時停止状態となったことをきっかけに、一時70万円まで下落しました。同社はメンテナンスを「セキュリティプログラムの更新のため」としていましたが、2018年3月の同取引所へのハッキング状況と似ていたことから、再度ハッキング被害にあったのではないかとの噂が広まり売りが先行。ただ、節目の70万円近辺や25日移動平均線レベルでは押し目買い意欲も強く、大きく下髭をつける形で終わりました。
その後は目先の達成感から、25日線付近まで調整することになりました。9日には米大手デリバティブ取引所CBOEが、米証券取引員会(SEC)にビットコインETFを申請したことが材料視され上昇を見せたものの、6月中旬の高値75万円近辺では上値の重さが意識される形になりました。
ここまでは比較的しっかりとした動きが続いていましたが、分散型の仮想通貨取引所プロジェクトであるバンコールが9日夜、約13億9,000万円相当のイーサリアムが盗まれたことを明らかにしたことを皮切りに、74万円から70万円台まで急落することになりました。
6月に盗難被害にあった韓国の大手仮想通貨取引所ビッサムでは当初被害額を約35億円相当としていましたが、世界中の仮想通貨取引所や仮想通貨関連団体の協力に加え、発覚後の迅速な対応から被害額を約19億円相当まで減少させたとしています。今回の事件においても、各取引所の連携などによる盗難通貨の流通監視が実現するかが注目されるところでしょう。
■ビットコインの日足チャート
BTC/JPYとの相関係数(6月28日~7月12日)
- ドル/円 ▲0.34
- 日経平均 ▲0.72
- 金/ドル 0.21
- 米10年債 ▲0.31
- NYダウ ▲0.01
※フィスコ仮想通貨取引所のBTC/JPYの終値ベース
※1~0.7は強い相関あり、0.7~0.4はやや相関あり、0.4~0.2は弱い相関あり
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