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3月期決算企業の『株主総会』が6月下旬を中心に開催されました。かつて『株主総会』といえば、開催日が集中したり、『株主総会』自体も形骸化したセレモニーの感もありました。ただし近年、『株主総会』は開催日の分散が進み、議事内容も1年間の経営成績を審査したり、株主提案が提出されたりして、経営陣と株主の緊迫したやり取りが行われる両者の対話の場に変化しています。
【ポイント1】『株主総会』は開催日の分散化と対話の場へと変化が進む
「持ち合い株」の大幅減少などが背景
今年は6月28日が『株主総会』の集中日となりました。1990年代には総会の集中度が90%を超えた時期もありましたが、2016年以降は30%程度で推移しています。内容もかつてのセレモニー的な総会から経営陣と株主の緊迫したやり取りが行われる総会に変わりました。
背景には、企業が親密な企業や銀行と互いの株式を相互に保有する「持ち合い株」の大幅減少や、「スチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家の諸原則)」が導入され、機関投資家が投資先企業の経営監視を求められていることなどがあります。
【ポイント2】株主提案は過去最高
自己株式の償却や巨額買収などがテーマ
今回の『株主総会』で42の企業が株主提案を受け、過去最高となりました。内容も自己株式の償却や増配、社外取締役選任、巨額買収など多岐にわたりました。
否決されましたが、TBSホールディングスが持ち合い株として保有する東京エレクトロン株の株主への配分提案や、武田薬品工業がアイルランド製薬大手シャイアーを7兆円弱で買収することに反対する提案などが注目されました。
『株主総会』では、成長戦略などもテーマとなり、トヨタ自動車では電動化、自動運転を巡るやり取りが行われました。
【今後の展開】『株主総会』が企業の資本効率の改善などにつながることを期待
今年6月に「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」が改定され、企業は経営トップの選任や解任の手続きの透明性や資本効率の改善などが促されました。今回の『株主総会』では、資本効率の低い企業の経営陣や独立性の低い社外役員の選任に対して、反対するケースも目につきました。『株主総会』での企業と株主の対話が、上場企業の資本効率の改善や活性化につながっていくことが期待されます。
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