最近の株価調整も成長見通し良好、廃棄物発電増強で中間期の大幅増収に期待

現地コード 銘柄名
00257

中国光大国際

(チャイナ・エバーブライト・インターナショナル)

株価 情報種類
 9.96HKD
(6/26現在)
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 中国光大国際の株価は最近、同業の東江環保股フン有限公司(00895)に関する不正疑惑報道を受けて下落したが、BOCIは中国光大国際が下げる理由は見当たらないとして、現在の調整局面を買い時と受け止めている。同社が環境保護業界における優良企業の一つであるとし、経営リスクは最も小さいとの見方。また、年初からのプロジェクトの進展で、廃棄物発電(WTE)容量が前年同期比で67%増加した点に着目。18年6月中間決算でも力強い営業収入の伸びが期待できるとした。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 中央電視台(CCTV)の報道によれば、有害廃棄物処理大手の東江環保は汚染物質の排出観測データを改ざんしていたことが発覚、江西省の子会社が閉鎖に追い込まれたという。この報道を受け、東江環保株は25日に18%急落したが、この種の不正が業界全体に広がっているとの懸念から、中国光大国際も同日2%下げた。ただ、各種の同社プラントを訪問した経験を持つBOCIは、高い基準を持つ堅実な経営チームを作り上げていたと評価。また、中央企業(中央政府が管理監督する国有企業)系の1社として政府の排出規定を遵守する意志もあると指摘し、同社の経営リスクは同業他社との比較で最も小さいとしている。

 同社では18年上期に1日当たり処理量4,700トン相当の廃棄物発電施設が商業運転を開始。これにより、総処理能力が前年同期比で67%、前期比で12%の伸びを示した。BOCIは設備増強を理由に、18年6月中間期の力強い営業収入の伸びを見込む。ただ、建設業務に関しては収益横ばいが予想されるため、同期の増益率は相対的に低水準にとどまる見通しという。

 同社は最近、広東省肇慶市のプロジェクト(処理日量1,500トン)を買収し、同省での事業規模をさらに拡大させた。『第13次5カ年計画』によれば、廃棄物発電容量が最も不足しているのが広東省。同省における委託処理料金は主に1トン当たり90元強と省・市別で最高レベルにあり、補助金支払いの遅延ケースも最少。事業者側にとっては魅力が大きい。なお、1~3月に全国規模で処理日量7,850トン相当の施設を取得したこともあり、17年末に11%だった同社の国内シェアはさらに拡大する可能性が高い。

 最近の株価下落は、東江環保に関する報道のほか、PPP(官民連携)プロジェクトに対する中央政府の引き締め姿勢や補助金の財源不足に関する懸念、循環流動層(CFB)ボイラ技術に関する補助金の見直しなども影響した可能性がある。ただ、BOCIはこうした要因による影響を楽観し、同社の良好なファンダメンタルズに変わりはないと指摘。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく現在の目標株価(18年予想PERでは15倍に相当)を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。