6月後半のビットコイン/日本円(BTC/JPY)マーケット概況
6月後半のビットコイン/日本円相場は下落トレンドが継続しました。金融庁が22日、大手仮想通貨取引所ビットフライヤーなど仮想通貨交換業者6社に業務改善命令を発出したことが嫌気され、下落が続きました。
それでは、具体的に6月後半からの流れを振り返ってみましょう。6月後半のスタートは、韓国の仮想通貨取引所へのハッキング事件に伴う下落が一段落し、72万円を挟んだ狭いレンジでのもみ合いが続いていました。19日には金融庁が週内にも行政処分を下す方針との報道がなされました。ただ、処分内容が業務改善命令にとどまるなど従前に噂されていたものより軽い内容であることが好感され、一段レンジを切り上げる形となりました。
その後、22日に正式な処分内容が発表されましたが、報道では処分対象が5社とされていたのに対し6社と増加していたことや、各社で処分内容が異なることが明らかとなり、大きく売られました。日中の国内勢の売りに加え、夜間には海外勢の売りも重なり、節目の70万円を割り込み、週末にかけて65万円まで下落しました。この65万円というのは1月、2月の安値であり、下値支持として強く意識されるポイントでもあります。
65万円まで下落したビットコインですが、25日には一時70万円を付ける場面もありました。背景には、米テザー社が仮想通貨テザー(USDT)を2.5億ドル相当分追加発行したことがあるようです。
テザーとは米ドル価格に連動した仮想通貨という設定で、発行体であるテザー社はテザー発行量と同量の米ドルを保有することを条件に新規発行を行うとしています。外貨持ち出しが規制されている中国で主に利用されています。テザーの追加発行により中国からの資金が流入するのではとの思惑が、70万円回復の要因だと思われます。ただ、節目の70万円では売り圧力が強まったこともあり、ここを上抜けるほどの勢いは続きませんでした。
このところ、夜間及び早朝に価格が大きく動くという状態が続いています。海外勢主導の動きが続いているとみられ、もうしばらくはドル建ての動向を注視することになりそうです。ただ、出来高の減少やボラティリティの低下から、参加者が減っている印象を受けます。
価格水準については、現状では業務改善命令をはじめネガティブなニュースがマーケットの重しとなっています。ビットコインについては、65万円前後が下値メドとして機能しそうです。
■ビットコインの日足チャート
BTC/JPYとの相関係数(6月16日~6月29日)
- ドル/円 0.001
- 日経平均 0.596
- 金/ドル 0.671
- 米10年債 0.796
- NYダウ 0.661
※フィスコ仮想通貨取引所のBTC/JPYの終値ベース
※1~0.7は強い相関あり、0.7~0. 4はやや相関あり、0.4~0.2は弱い相関あり
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