トランプ政権がしかける貿易戦争がエスカレートする懸念から、日経平均の下落が続いています。しばらく下値模索が続く見込みです。ただ、下げたところで、少しずつ日本株を買っていって良いと考えています。

 今日は、2種類の好配当利回り株をご紹介します。攻めの5銘柄と、守りの5銘柄です。

攻め・守りの意味とは?

 本レポートでは、景気敏感業種(電機・機械・総合商社など)から選ぶ株を「攻めの銘柄」、景気の影響が比較的小さい業種(食品・電鉄・通信など)から選ぶ株を「守りの銘柄」と呼びます。守りの銘柄は、株式市場で、「ディフェンシブ株」と呼ばれることもあります。

 攻めの銘柄は値動きが荒く、下げる時は大きく下げ、上げる時には大きく上げる傾向があります。これに対し、ここで守りの銘柄と呼ぶものは、攻めの銘柄より価格変動が小さくなる傾向があります。ただし、株である以上、値上がりはします。あくまでも、相対的に値動きが小さいというだけですので、ご注意ください。

攻めの5銘柄:売られ過ぎ景気敏感株の「試し買い」

 今年に入ってから、株式市場で、景気敏感株売り、ディフェンシブ株買いの流れが続いています。世界景気がピークアウトする懸念を織り込んでいるとも言えます。

 そんな時、あえて景気敏感株を買う必要はあるのでしょうか? 私は「景気敏感株売り、ディフェンシブ株買いの二極化」は、やや行き過ぎの可能性もあると感じています。

 これから世界景気が目に見えて悪化するならば、景気敏感株の売りは、ここからさらに加速するでしょう。ただし、もし世界景気がさほど悪化することなく、そこそこ堅調を維持するならば、今の景気敏感株は「売られ過ぎ」の反動で、上昇することも期待できます。

 景気の先行きを断定的に判断できませんが、売られ過ぎと考えられる景気敏感株について、少し「試し買い」を入れてみても良いと思います。

 今日選んだ「攻めの好配当利回り株」は、業績堅調にもかかわらず、景気悪化の懸念から上値が重くなっている景気敏感株を選んでいます。

攻めの好配当利回り5銘柄:2018年6月25日時点

コード 銘柄名 主要事業 決算期 配当利回り 最低投資額
5108 ブリヂストン 自動車タイヤ 12月 3.7% 437,700円
6301 小松製作所 建設・鉱山機械 3月 3.1% 310,100円
7751 キヤノン カメラ・事務機 12月 4.3% 371,200円
8002 丸紅 総合商社 3月 4.1% 82,790円
8058 三菱商事 総合商社 3月 3.7% 308,300円
注:配当利回りは会社予想ベース。ただし、キヤノンのみ楽天証券予想。最低投資額は、6月25日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額 。
12月決算のブリヂストンとキヤノンは、6月末が中間決算期末。両社の6月末基準の中間配当金を受け取る権利を得るためには、権利付き最終売買日である今日(6月26日)までに、株を買う必要がある。権利落ち日の6月27日以降に買っても、中間決算の配当金は得られない。


 

守りの5銘柄:景気減速への抵抗力が高いディフェシブ株

 世界景気が減速しても業績への影響は相対的に小さいと考えられる「ディフェンシブ株」の中から、配当利回りが高めの銘柄を選びました。

守りの好配当利回り5銘柄:2018年6月25日時点

コード 銘柄名 主要事業 決算期 配当利回り 最低投資額
2651 ローソン コンビニ 8月 3.7% 696,000円
2914 日本たばこ産業 タバコ 12月 4.7% 321,100円
9142 JR九州 鉄道 3月 2.4% 345,500円
9433 KDDI 情報通信 3月 3.3% 301,600円
9437 NTTドコモ 情報通信 3月 3.9% 280,750円
注:配当利回りは会社予想ベース。最低投資額は、6月25日終値で最低投資単位100株を買うのに必要な金額。

 

 

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