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日本の株式市場では、3月9日の前回の先物・オプション取引の清算日(SQ)以降日経平均株価が22,000円台を中心として方向感のない展開が続いています。こうした中、6月8日にSQを迎えました。株式市場はSQ後、次のSQに向けて株式市場の方向性が大きく変化することもあります。ここでは『需給・テクニカル指標』から、今後の株式市場について検討してみたいと思います。
【ポイント1】株価は方向感のない展開
今後の動向を探る上で『需給・テクニカル指標』などに注目
日経平均株価は、3月9日の前回SQ以降、北朝鮮問題などの地政学リスクや米中通商問題、米国の減税と財政拡大による景気拡大期待や米長期金利の上昇など株価材料には事欠きませんでしたが、22,000円台を中心として方向感のない展開が続いています。
今後の相場動向を探る上で、NT倍率、信用取引、裁定取引などの『需給・テクニカル指標』が注目されます。
【ポイント2】NT倍率は高水準、一段の拡大には警戒
ネット信用・裁定残高と株価のピークは一致する傾向
NT倍率は、日経平均株価をTOPIXで割った指数です。NT倍率は、相場の上昇局面で拡大する傾向がありますが、相場上昇後一段と急拡大する時は、警戒が必要です。下落の場合は反対になります。
NT倍率は10~13倍程度で推移する傾向がありますが、6月12日現在12.76倍で年初来最低であった2月9日の12.34倍からも拡大して年初来最高水準にあります。
買い残から売り残を差し引いたネット裁定残、ネット信用残は、相場の上昇局面で拡大し、これらと株価のピークは一致する傾向があります。
ネット裁定残は今年3月のボトム時と比べると約4億株程度増加の7.4億株、ネット信用残は、現状2.5兆円で昨年末比0.4兆円程度増加しています。
【今後の展開】現状『需給・テクニカル指標』は警戒水準とはいえないが注視は必要
日経平均株価が3月以降方向感の乏しい動きを続ける中、NT倍率は拡大、ネット信用残、ネット裁定残は増加しています。ネット信用残、ネット裁定残はまだ警戒水準ではありませんが、これら指標がそろって拡大するような局面になれば、市場が堅調そうにみえても、十分な注意が必要とみられます。
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