「『金利』とは何か」お答えできますか? 株価を大きく左右する「金利」ですが、いろいろな要因がからみあっています。金利とは何か、なぜ注目されているのか? 投資初心者にも分かるように、金利のプロに直撃します!
みや:投資初心者のトウシル編集者。
かねこ:外資系証券会社で過去約17年間にわたり金利・為替・株式などに携わり、現在楽天証券、債券担当。元米国公認会計士(カリフォルニア州)。
金利って何?
みや:「長期金利」とか、「政策金利」ってよく聞く「金利」。これって何ですか?
かねこ:金利はね、「経済と相場にとって、もっとも大事な指標」のひとつだよ。債券や銀行の利率などに影響しているんだ。まずは銀行の利率について話すね。
みや:銀行に預金すると、ちょっともらえるお金のこと?
かねこ:そうそう。銀行に預けると、少しだけど利息がもらえる。ローンなどで銀行などからお金を借りると利子がかかる。これが金利なんだ。
みや:100万円で10円の利息をもらえましたよ。これが金利なんですね。
かねこ:そう。今の利率は、たった0.001%(注1)。景気が良かった1970年~80年代前は、2%台。なんと100万円預けたら2万円以上の利息を1年でもらっていたんだ。
みや:え!? 今の2,000倍!? そんな時代があったなんて……。今は、金利が低い「低金利」の時代ってそういうことかあ。
注1:金利は金融機関や期間などによって異なります。
なぜ今の日本は低金利なの?
かねこ:なぜ日本は、お金を預けても増えない「低金利」にしていると思う?
みや:お金を預けてもそんなに増えない代わりに、お金を借りても、それほど多く増やして返さなくてすむってことかな。
かねこ:そのとおり。お金を借りやすくして、もっとお金を使ってほしい。そうすれば経済が活性化するから。
みや:低金利は、経済にはよいのですね。預金しても増えないのには、そんな面があったとは…。
かねこ:あとね、金利は「債券」にも影響しているよ。「個人向け国債」って聞いたことある?
みや:銀行で見たことあるかも…。
かねこ:「個人向け国債」は国が発行している債券なんだ。国にお金を貸して、さらに利息ももらえる。金利が低い今は、預金に加えて個人向け国債の利回りが低い。すると、どうなると思う?
みや:買っても、あまり増えないって事だから…別のところに投資をする!
かねこ:そうなるよね。
低金利はどんな影響があるの?
かねこ:低金利は、お金を預けてもあまり増えないってことだったよね。「個人向け国債」は、少しだけど金利が保証されているし、リスクが少ない魅力がある。でも、高い金利の外国債券や景気の良い国の株へ投資したらがお金が増えるって考えちゃうよね。
下の図は、日本からアメリカに投資をしているお金の推移だよ。
<日本の米国向け対外直接投資(単位:100万ドル、国際収支ベース、ネット、フロー)>
みや:わ、最近アメリカに投資している額が増えてる! アメリカの景気がよいって聞くもんなあ。そっかー、アメリカにお金が流れるから、日本にお金が集まらず、景気が回復しないんだ。
かねこ:アメリカのへの直接投資だけが景気改善に大きな影響与えるわけではないんだけどね。でも一因ではあるから、日本銀行は景気や経済を見て、(政策)金利を決めてるんだよ。アメリカも同じように、経済動向を見て金利を見極めているんだ。
みや:アメリカの金利上昇については最近ニュースでよく聞くようになりました。
かねこ:そう、金利と経済、そして株価とはとても関連が大きいからね。次回は、アメリカの金利について伝えるね!
みや:はい! よろしくお願いします。
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