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訪日客数は政府目標(2020年に4,000万人)に向けて着実に増加しています。2018年4月には、年初来では過去最速で累計1,000万人を突破しました。訪日客数増加の裏で、かつて“爆買い”という流行語も生んだ中国からの訪日客による消費は落ち着きを見せています。その分、盛り上がりを見せているのは国境を越えたeコマース『越境EC』で、これに伴う物流網の整備などへのニーズが高まっています。
【ポイント1】“爆買い”って、その後どうなったの?
中国人観光客の1人当たり消費額は、他の国・地域に比べて倍以上
訪日客数は着実に増加し、訪日外国人を見かけることも多いと思います。一方で、以前注目されていた“爆買い”は落ち着きを見せています。観光庁が発表した2018年1-3月期の「訪日外国人消費動向調査」によると、同期間の中国からの訪日客は、1人当たりの買い物代が11万628円となりました。“爆買い”が流行語大賞となった2015年の16万1,973円から減少しているものの、全訪日客平均の5万1,995円の倍以上となっており、その消費パワーは大きいと言えます。
【ポイント2】日本製品は『越境EC』で中国へ!
アリババは日本製品を買い切る強気な姿勢
中国では日本製品は人気があり、その代表例として紙おむつが挙げられます。より品質の高い製品への人気が高まる中で、日本企業が中国で現地生産した製品よりも、高額でも日本で生産した製品の人気が高まっています。こうしたことを背景に、花王やユニ・チャームなど日本企業の中国向けおむつ事業において、『越境EC』は規模が拡大しています。
一方、中国ネット通販の最大手アリババは、日本製品の大量調達に動き始めました。紙おむつやミルク等の乳幼児向けの商品や、化粧品、食品など、中国で人気の高い日本製品を買い切って品揃えを増やす強気な姿勢が報じられています。
【今後の展開】ネット通販の利用者の拡大で、物流網整備へのニーズが高まる
こうした『越境EC』が増加するなか、利用者により早く製品を届けるために、より細やかな物流網へのニーズが高まっています。例えば、船便であれば、これまで一度大きな港に集約してから中小の港に向けて運ばれていたような場合も、中小の港間での流通の方が日数が短縮できるなどのメリットがあり、その取扱い量が増えています。今後も『越境EC』の広がりから、物流網の整備へのニーズはさらに高まりそうです。
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