3~4月に成約伸び率が加速、大型プロジェクトの始動で年内の販売状況を楽観

現地コード 銘柄名
01109

華潤置地

(チャイナ・リソーシズ・ランド)

株価 情報種類
 29.10HKD
(5/28現在)
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 華潤置地はこのところ資産回転率の改善に尽力してきたが、その努力が実り、3月、4月には物件成約額が力強い伸びを示した。2018年下期には複数の大型プロジェクトが始動する見通しから、BOCIはこの勢いが続くと予想。18年通期の成約目標1,830億元は達成可能とみている。また、粗利益率の改善と不動産投資事業の成長持続を背景とした18年6月中間期の好決算を予想。これがさらなる支援材料になるとみて、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 18年1~4月の成約額は前年同期比22.8%増。この時点で、通期目標1,830億元の達成率は27.5%に上った。特に3月、4月の成約額は前年同月比46.7%増、33.9%増と加速傾向が鮮明。今後は複数の大型プロジェクトが予約分譲許可証を取得する見通しであり、3~4月の勢いが年内続く可能性が高いという。うち一つ、深セン大冲プロジェクトに関しては、向こう2~3カ月以内に延床面積20万平方メートル相当の物件(総額100億元超)について分譲許可が降りる見込み。こうした状況から、BOCIはこの先年末までの月平均成約額が約160億元に達するとみている。17年には、月間成約額はほぼ100億~120億元の水準だった。

 また、成約物件の粗利益率は30~40%の水準を回復しており、BOCIは18年通期の不動産開発事業の粗利益率が約40%の高水準を維持するとみている。6月中間期の粗利益率については前年同期の34.9%を上回る約40%を予想。増収率が相対的に小幅にとどまる中で、大幅増益が期待できるとした

 同社が18年1~4月に取得した新たな開発用地は延床面積換算で540万平方メートル(権益換算では420万平方メートル)と、同期の成約面積290万平方メートルを上回る規模。これで保有用地が大きく増え、今後の収益成長に向けた足場が整った。土地取得コストは1平方メートル当たり平均8,523元。1線・2線クラスの主要都市が中心であることから、BOCIはこの金額は妥当としている。

 一方、不動産投資(賃貸)事業は引き続き収益成長を維持する見込み。18年1~4月の賃料収入は前年同期比27%増で、うち自律成長率は13%だった。投資物件における小売売上高は1~3月に同30%増で、うち自律成長率は17%。

 同社株は現在、18年予想PBR(株価純資産倍率)1.2倍で取引されており、1株当たり予想NAV(純資産価値、41.32HKドル)に対するディスカウント率は30%、18年予想PERは7.8倍。BOCIは不動産開発および投資という2大成長エンジンの存在や、財務の安定感、力強い採算性を考慮した上で、値ごろ感を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、「予約分譲許可証の取得時期の遅れによる成約状況の減速」を挙げている。