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自動車業界では『自動運転車』の開発が進められています。『自動運転車』の実証実験も各地で重ねられつつあります。こうした中、欧州連合(EU)の欧州委員会は5月17日、車両に運転を任せられる完全自動運転の社会を2030年代に実現するための工程表を発表しました。国際ルールに先だって域内基準をつくり、欧州での『自動運転車』普及を後押しします。今後の各国の『自動運転車』普及の取り組みが注目されます。
【ポイント1】EUの欧州委員会は自動運転の工程表を発表
2030年代に完全自動運転が標準となる社会につなげる狙い
EUの欧州委員会は5月17日、完全自動運転の社会を2030年代に実現するための工程表を発表しました。骨子は「車両に運転を任せられる完全自動運転の社会を2030年代に実現」、「都市交通の25%はシェア型自動運転に」、「2018年中に安全ルール統一などの指針作成に着手」、「データ共有のための枠組みづくり」などです。完全自動運転の社会を2030年代に実現すると内外に示すことで、2020年代に都市部でも低速での自動運転を可能にし、2030年代に完全自動運転が標準となる社会につなげる狙いがあります。
【ポイント2】自動運転には安全基準の統一などが必要
安全指針の策定やデータ蓄積を支援
欧州ではアウディが条件付き自動運転のレベル3対応車を現地で発売済みです。ところがレベル3以上の機能の『自動運転車』を制限なしにEU域内で走らせるには、域内各国の自動運転の安全基準を統一したり、互換性を持たせたり、法制度の整備や車両を走らせて起こりうる問題を把握するためにデータを蓄積することが必要になります。
今回これらに対応するため、2018年中に安全ルール統一などの指針作成に着手する旨を表明しました。またデータ蓄積のため、欧州の広いエリアで実証実験をできるようにEUは規制緩和を進めたり、道路に置いたセンサーや信号機などのインフラが『自動運転車』と交通情報を交換する技術開発を支援したりするとみられます。
【今後の展開】各国で『自動運転車』普及のための官民一体の取り組みが加速
今回の工程表の発表は競合する米国、中国、日本に対して欧州が『自動運転車』普及で主導権を獲得する狙いがあります。欧州委員会は公表した資料で、自動運転社会への移行により2025年までに8,000億ユーロ(約104兆円)を超える市場がEUの自動車と電機業界に生まれると試算しています。今後欧州以外の各国でも『自動運転車』普及の主導権確保を狙った官民一体の取り組みが加速するとみられます。
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