マカオでリバース・ロードショー、カジノ建設終了に備え投資事業に参入
現地コード | 銘柄名 |
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03311 |
中国建築国際 (チャイナ・ステート・コンストラクション) |
株価 | 情報種類 |
9.76HKD (5/25現在) |
株価 企業情報 チャート |
中国建築国際はこのほど、マカオで「リバース・ロードショー」(通常とは逆に、投資を望む側が株や債券などの発行体に出向く活動)を実施した。経営陣はこの場で、改めて2018年通期目標を確認。前年比20%の増益に加え、配当性向30%、純負債比率40%、設備投資160億HKドル、新規受注1150億HKドルを目指す方針を示した。BOCIはマカオでの投資事業への参入などを前向きに評価。現在株価の値ごろ感に言及し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
同社はマカオの建設市場で圧倒的なシェアを誇る最大手。マカオでの事業歴は長く(1981年進出)、現地で高い評価を得ている。同業他社や業界団体との良好な関係も強み。子会社CSCIマカオがこれまでに手掛けた大型プロジェクトはマカオ・タワー、中国政府駐マカオ連絡弁公室、ウィン・ホテル、シティ・オブ・ドリームズ、MGMコタイ・ホテルなど。17年にはマカオ特別行政区政府から得た収入が、同社売り上げ全体の16.1%を占めた。今回のロードショーにおいて特に強調されたプロジェクトは、18年2月にオープンした新たなカジノリゾート、MGMコタイ。同社がプロジェクト全体を手掛けた案件で、総額160億パタカ規模に達した(1パタカ=約13.4円)。中国建築国際にとって、マカオの利益構成比(14.6%)は今後さらに上向く見通しという。
CSCIマカオは純粋な建設事業だけでなく、不動産などの投資事業に手を広げている。カジノ業界からの建設受注は時期的な波が大きく、極めて不安定であることが理由だ。マカオのカジノ事業者6社すべてが現在、タイパ島で新たなホテルを建設しており、同社マカオ部門の売上高にカジノ業界が占める割合は17年に85%を記録した(02年は51%)。ただ、その大半はすでに終盤を迎えており、これがすべて完成してしまえば、次に新規ホテルが着工するまでには2~3年の空白が生じる可能性が高く、新規の投資事業がこれをカバーする見通しという。投資事業において、同社はマカオの地元デベロッパーや中国海外発展(00688)と提携しており、不動産開発プロジェクトなどからリターンを確保できる見込み。また、信徳集団(00242)と組んで「Nova City」(5期、持ち株比率29%)に出資、中国海外発展と組んで「Carat」(持ち株比率15%)に出資しており、18年にはこの両プロジェクトからかなりの利益貢献が見込める状況にある。
BOCIは、同社の現在株価が18年予想PERでわずか8.7倍、18~20年の利益成長率が年平均20.1%に上る点を考慮すれば、かなり値ごろ感が強いと指摘。PPP(官民連携)プロジェクト関連の受注が順調に伸びていることも前向きに評価し、同社に対して強気見通しを維持した。目標株価は引き下げたが、これは従来のターゲットPER12.0倍に対し、20%のディスカウントを新たに適用したため。ただ、現金やキャシュフロー管理の効率化において成果を上げた場合、このディスカウント部分を取り消すとしている。
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