販売低迷で株価調整も下期を楽観、18年通期目標を達成へ

現地コード 銘柄名
00960

龍湖地産

(ロンフォー・プロパティーズ)

株価 情報種類
 23. 40HKD
(5/24現在)
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 3月、4月の不動産成約額が前年同月実績を割り込んだことで、龍湖地産の株価はこのところ調整している。社債発行計画が棚上げとなったこともその一因。ただ、BOCIは起債棚上げの一件について、新たな財務データの提出が必要になっただけだとし、市場の過剰反応を指摘。財務面で最も手堅い民営不動産デベロッパーの1社として前向きに評価している(現金/短期債務比率は4.7倍強、純負債比率は60%以下)。また、物件販売の点からも楽観的であり、2018年通期の成約目標(2,000億元)を達成すると予想。この先、下期の成約状況の加速が支援材料となる見通しを示した。同社株価の先行きに対して強気見通しを継続し、最近の下落局面が新たな投資機会につながるとみている。

 3月、4月に成約額が落ち込んだのは、前年同月実績が極めて高かったため。17年上期には、下期の不動産引き締め政策を見込んだ駆け込み分譲が数字を押し上げた経緯があった。18年下期には前年実績の高さによる影響が消えると同時に、同社の分譲ペースも加速する見込み。BOCIはこれに伴い、成約伸び率が上向くとみている。同社が示した18年の分譲計画は上期と下期で4対6の割合であり、1~4月に月平均146億元だった成約額が、下期には同170億元に上向き、前年同期の同105億元を大きく上回る見通しという。また、1~4月の平均分譲価格は1平方メートル当たり1万5,678元と、前年同期(1万4,900元)を上回る数字。粗利益率は少なくとも25%を超えたとみられ、18年通期では約30%を維持する可能性が高い。

 同社が18年1~4月に新たに取得した土地は延床面積換算で550万平方メートル(権益換算では470万平メートル)と、前年同期の370万平メートルを上回った。不動産調査会社CIRCによれば、これはデベロッパー別ランキングで7位。17年の成約額では、同社は8位だった。BOCIはまた、下期には中小デベロッパーが資金繰りの悪化に直面すると予想。財務状況が良好で、かつ資金調達能力の高い同社にとっては、買収機会の拡大につながるとみている。

 BOCIによると、同社株価は現在、18年予想PBR(株価純資産倍率)1.4倍で取引されており、予想NAV(1株当たり39.09HKドル)に対して40%のディスカウント水準にある。また、18年の予想配当利回りは4.4%。BOCIは18年予想ROEが16.1%に上ることや、業界を代表する優れた経営手腕、さらに力強い財務指標などを評価。同社株価が魅力的な水準にあるとしている。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、地方政府が導入している「価格制限(値上げ制限)」措置を挙げ、この先、予約分譲許可証の獲得ペースがさらにスローダウンする可能性を指摘している。