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中国はeコマース市場の規模が世界最大で、ネット通販が活況です。例えば、大規模なセールが実施される11月11日の「独身の日」には、昨年は業界最大手のアリババ1社で、1日に約1,683億元の売り上げを記録しました。こうしたネット通販の取引増加により、宅配数も急増しています。これに対し、宅配網の構築や省人化技術の開発などの対策が、企業にとって重要な経営戦略の1つとなってきています。
【ポイント1】中国でもネット通販が活況
昨年の「独身の日」には、1日で約1,683億元の売り上げを記録
中国では毎年11月11日は数字の1が並ぶことから、「独身(シングル)の日」とされています。この「独身の日」には、大規模なセールのキャンペーンやイベントが行われ、1年の中でも最も消費が旺盛になることから、その売上動向が注目されています。2017年の「独身の日」には、中国ネット通販の最大手であるアリババは、1日の取引額が約1,683億元(約2兆8千億円)と過去最高を記録しました。これは、楽天の2017年の国内電子商取引総額が約3兆4千億円だったことと比べても規模が大きいことが分かります。
【ポイント2】中国での宅配数は過去10年で約33倍に
人手不足や人件費が懸念材料
ネット通販の取引額の増加とともに、宅配数も急増しています。中国国内の宅配数を見てみると、2017年は前年比+28%の400億個超と、過去10年間で約33倍になりました。
こうした宅配数の急増に対し、特に「ラスト・ワン・マイル」と言われる、物流過程の最後となる個人宅などまでの宅配において、人手不足や人件費の増加などが懸念材料となっています。
【今後の展開】宅配網構築や省人化技術の開発などの対策が重要な経営戦略に
中国の『宅配事業』では、人手不足や人件費の増加などへの対応が進んでいます。例えば、中国ネット通販第二位のJDドットコム(京東集団)は、自社で宅配網を構築しているほか、ドローン宅配の試験運用を開始したり、荷物の仕分けや積み込みなど全てロボットが処理する物流センターを開設するなど、省人化技術の開発を進め、中国国内での配送は人口の約99%をカバーできるようになっています。今後も高まるネット通販及び宅配へのニーズに対し、企業の対策は重要な経営戦略の1つとなりそうです。
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