16年本決算は31%増益、PPP環境改修事業が今後の成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00371 北控水務集団 (ベイジン・エンタープライジズ・ウォーター)  5.70 HKD
(03/31現在)
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北控水務集団の2016年12月本決算は、前年比29%の増収、同31%の増益となった。同期純利益は市場予想を小幅に上回り、ほぼBOCIの予想通りの数字。期中の水処理能力の新規増加分は1日当たり455万トンに上り、経営陣が事前に示した見通しや市場の予想をまたも上回った。稼働中の処理能力は前年比27%増の1日当たり1650万トンで、17年末には2000万トンに達する見通しという。また、環境リノベーション事業も急成長を遂げ、注目のPPP(官民連携)基金第1号の創設に漕ぎつけた。BOCIは今後も、PPPプロジェクトの資金調達につながるPPP基金の立ち上げが続くとみて、同社株の支援材料になると予想。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

16年末時点で確定済みの水処理能力は前年比16%増の1日当たり2700万トンで、経営陣は17年に少なくとも300万トン分の新規プロジェクトを確保する方針。現時点では450万トン分のプロジェクトが建設中、さらに75万トン分が年内に着工する予定であり、稼働中の処理能力は17年末に日産2000万トンに拡大する見通しという。また、処理料金は16年に、処理場29カ所(日産計186万トン分)で平均25%上昇した。

16年にグリーンボンド、社債、永久債を発行したことで、期末の純負債比率は109%に収まった。同社は今後も、資金調達チャネルを多様化する方針であり、まずは17年上期に20億元規模で、格付けAAAの資産担保証券(ABS)を発行する計画。BOCIはこれにより、17年末の純負債比率が110%にとどまるとみている(従来予想は119%)。

中国で今後有望視されるのはPPPモデルに基づく環境リノベーション事業(河川改修や地方での水処理場建設など)。同社は17年にPPPプロジェクト300億元以上を獲得する目標を掲げているが、3月末までに早くも220億元分を確保した。また、3月28日には内モンゴル自治区赤峰市の環境リノベーションプロジェクトをめぐり、初のPPP基金(30億元規模)の立ち上げを実施した。これは16年8月に落札したもので、投資予定額は総額31億6000万元。予想IRR(内部収益率)は7.97%。コンセッション期間は工期2年を含めて17年となる。続いて北京市通州区でのプロジェクト向けのPPP基金(100億元規模)が現在認可申請中であり、4-5月にも創設される見通しという。こうして資金調達が実行されれば、プロジェクトの進ちょくが加速する見込み。経営陣は環境リノベーション事業の売上高が17年に前年比200-250%急増するとみている。

BOCIは16-18年に年率平均26%の利益成長を見込み、17年予想PER16.8倍に当たる目標株価を据え置いた。処理能力を予想以上のペースで拡大させている手腕やPPP市場における優位性を高く評価。PPPがこの先の成長エンジンとなる見通しを示した。潜在リスクとして、環境リノベーション投資や新規水処理プロジェクトのリターンなどが予想を下回る可能性に言及しながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。

 

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