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 中国国家統計局が5月16日に発表した4月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、中国の『住宅価格』は、前月比で値上がりした都市の数がさらに増加しました。4月は、『住宅価格』が上昇した都市数が70都市中58都市となりました。今回、中国政府は地方政府に対し、住宅規制を緩めないよう指導しており、今後も引き続き抑制策が続けられることで、中国の『住宅価格』は次第に落ち着いていくと見られます。

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【ポイント1】4月は価格上昇都市が58都市に増加

3月の55都市からさらに増加

 2018年4月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは58都市と、2月の55都市から3都市増加しました。

 一方、価格が下落したのは10都市と、3月と同数でした。また、価格が横ばいの都市は2都市でした。

 

【ポイント2】1人当たり所得平均で見て、伸び率が拡大

2、3級都市で価格上昇が加速

 当社の分析によれば、主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、4月は全体で前月比+0.46%と、3月の同+0.33%から伸び率が拡大しました。

 これを1~3級都市別で見ると、1級都市は同+0.03%(3月は同+0.07%)と鈍化したものの、2級都市は同+0.46%(同+0.30%)、3級都市は同+0.60%(同+0.43%)と、前月から一段と伸び率が拡大しました。

 

【今後の展開】中央政府の指導によって『住宅価格』は次第に落ち着く見込み

 中国の現地報道によると、中国の住宅都市農村建設部は、4月下旬、5月上旬に地方都市の幹部を集め、住宅市場の上振れ懸念を表明し、住宅規制を緩めないよう指導したと報じられています。中央政府による懸念が改めて地方政府に伝えられたことで、地方政府も同様の懸念を共有したと考えられ、今後も『住宅価格』の抑制策が続けられ、住宅市場は次第に落ち着いていくと見られます。

『住宅価格』の抑制策は、引き続き、利上げではなく頭金規制などで行われる見込みです。利上げを行うと経済全体にその影響が及ぶ可能性がありますが、それを避けるためです。