愛称はiDeCo(イデコ)!個人型確定拠出年金はこれで親しみやすくなるか
9月16日、厚生労働省で記者発表が行われ、2017年1月より規制緩和される個人型確定拠出年金について愛称を「iDeCo(イデコ)」と発表しました。
個人型(I)確定(De)拠出(Co)年金の略と、そのものズバリをねらった略語です。NISAが少額投資非課税制度という本来の名称ではなく、日本版ISAというところからネーミングしたのと比べると、直球勝負できた、という印象です。
確定拠出年金のことを略してDCと業界では呼んできましたが、DCカード等、他の金融商品とも誤認されやすくあまり普及に向いていない言葉でしたので、オリジナルの言葉に統一されることはいいことです。
それにネーミングそのものの是非は正直どうでもよくて、むしろ大事なのはそのネーミングが繰り返され国民になじむか、ということです。
NISAも最初公表されたときは、「うーん、どうよ?」とみんな思っていたものが、気がつけば誰もが利用する言葉になりました。iDeCoもぜひこれに続いてほしいと思います。
その点では、10月以降に出版される確定拠出年金関連書籍のタイトルに早々にiDeCoの名前が載ってきましたし、各社の確定拠出年金関連プレスリリースではiDeCoの名称を使った資料が現れ始めました。いい傾向だと思います。
実は3,700万人以上の人は「今すでに」iDeCoをスタートできるって知ってた?
ところで、このiDeCo、「2017年1月からスタート!」というイメージがありますが、よくみると今からでも利用できる人がいます。実はそうした人は3,700万人以上いるのです。
すでに個人型確定拠出年金については2002年1月から制度がスタートしており、加入者も27万人くらいいます。すでにiDeCoに加入できる人は以下の2パターンです。
- 自営業者等の国民年金保険料を納付している人
アルバイト、フリーランス、厚生年金適用のない会社員(契約社員や嘱託社員なども該当するかも) - 厚生年金に加入している会社員で企業年金制度がない人
(ここでいう企業年金は、企業型の確定拠出年金、確定給付企業年金・厚生年金基金などでただの退職金制度や中小企業退職金共済制度があってもiDeCoに加入できる)
それぞれ約1,700万人、約2,000万人くらいいます。これだけたくさんの「すでにiDeCoに入れる人」がいながら27万人しか入っていなかった、というのは逆に驚きです。
iDeCoは今まで、ほとんどといってもいいほどまったく「営業・勧誘されることがない金融商品」でした。そのためせっかくの有利な制度も、ほとんどの国民に知らされることのないままに放置されてきたのです。
自営業者(国民年金保険料を納めている人)か企業年金のない会社員なら今すぐ加入申込できる
先ほどの2つのパターンのうち、自営業者等は最大で月6.8万円、企業年金のない会社員は月2.3万円まで積み立てができます(最低金額は5,000円で、1,000円単位で指定する)。
(※ただし、自営業者等で国民年金の付加年金保険料を納付している場合は上限は6.7万円、国民年金基金に加入している場合はその掛金と合計で6.8万円までとなる)
来年からの規制緩和に向けて書かれたiDeCoのパンフレットや書籍に書かれているメリットは、すでに加入できる人にも同様に得られます。つまり、掛金の全額が所得控除になるため、自分の老後に向けて備えた積立資金が目の前の所得税・住民税の負担を軽くしてくれます。運用益についても全額非課税なので、有利な資産形成になります。60歳まで解約できないのが原則ですが、受取時は退職所得控除が適用され多くの部分を非課税で受け取ることができます(一時金受取の場合)。
もしかするとiDeCo関連ニュースをみて「公務員や専業主婦は入れるようになっていいなあ」と思っていたのなら、それは大間違いで、むしろ昔から加入できた人なのかもしれません。
しかも、6.8万円もしくは2.3万円という積立額は、来年から規制緩和されて加入できるようになる公務員や企業年金のある会社員の月1.2万円より大きな枠です。利用しない手はありません。
本当は入れた人がiDeCoの魅力を知ることも今回の法改正の大きな意義。2017年1月を待たずに手続きしちゃおう
本当はiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる人がたくさんいながらその利用率は1%にもなっていなかったなんて実にもったいない話です。
しかし、今回の法改正に伴い雑誌や新聞、テレビ等のメディアで露出が増えることで、こうした「実はすでに利用できた」人たちが確定拠出年金への興味や関心を持ち、利用開始になれば、これはとても有意義なことです。
もし、あなたが2,000万人以上の「すでに入れた人」であったとしたら、これはもう書類記入を急いだほうがいいでしょう。というのは、2017年1月以降は、「新しく入れる人」の加入申込が相当数集まって、事務処理を担当する国民年金基金連合会はパンクする可能性があるからです。
わざわざ「これから入れる人たち」と加入するタイミングを揃える必要はありません。今から年末までのあいだにささっと申込をしてしまってはどうでしょうか。
楽天証券も、この機に新規参入することになったiDeCoですが、すでに加入できる立場の人については加入申込を受け付けています。ぜひオンラインで申込手続きをしてみてください。
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