新社会人になった皆さんは、はじめての給料明細を受け取る時期と思います。給料明細をみるといろいろな気づきがあります。そこで今回は給料明細の見方をお話していきます。

 

「額面」と「手取り」っていったい何のこと?

 よく、お給料について「額面」と「手取り」という2つの言葉が使われます。これらはいったいどういう意味か、わかりますか?

 会社は、雇用契約にもとづき、社員に対して今年は毎月いくらの給料を払うか、あらかじめ決めています。
 ある新入社員の初任給は、月額18万円です。この「18万円」というのが、「額面」と呼ばれるものです。給料明細では、「支給金額」と書かれていたりします。

 では、この18万円をまるまる受け取れるか、というとそうではありません。18万円のお給料から、いろいろなものが差し引かれた残りの額が、実際に受け取れる金額です。この金額のことを「手取り」と呼びます。

 会社員の方にとっては、額面ももちろん重要ですが、手取りは実際に受け取れる金額ですからこちらの方がより重要です。

 

お給料から一体なにが引かれているの?

 額面から、いろいろなものが差し引かれた残りが手取りである、というのは上記で説明したとおりです。では、一体どんなものがお給料から差し引かれているのでしょうか?
 代表的なものとして以下のようなものがあります。

・所得税
・社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)
・雇用保険料

 これ以外に、財形貯蓄(お給料から天引きして貯蓄ができる制度)に回しているお金や、従業員持ち株会による自社株の買付費用など、会社によっていろいろなものが差し引かれています。給料明細をよく見て、疑問に思ったことがあれば上司や同僚、関係部署の人に聞いてみるようにしてください。

 

2年目以降に注意したい「落とし穴」とは?

 実は、お給料から差し引かれる代表的なものがもう1つあります。それが「住民税」です。新社会人の方は、これが落とし穴になりかねないので、注意しておいてください。

 なぜなら、住民税は昨年度の所得をもとに計算されるためです。つまり、平成29年にまだ社会人になっていなかった方々は、平成29年の所得がないため、1年目は住民税が天引きされていないのです。

 2年目と1年目でお給料の金額に変化がないとすれば、2年目はさらに住民税が差し引かれる分、手取りの金額はさらに少なくなってしまいます。

 もらったお給料を毎月全部使ってしまっていたり、翌月以降のお給料をあてにして多額のカード払いをしている人は、2年目になってから実際に使える金額が減ってしまう恐れがありますので、十分に注意しましょう。

 

手取りから意識的に投資にお金を回していこう

 皆さんは、投資には関心をお持ちでしょうか? 少子高齢化が進み、年金もどれだけ受け取れるか見当もつかない・・・こんな状況では、自分自身の努力によって、老後の生活資金を賄っていかなければならなくなるかも知れません。

 とするならば、お給料の手取りの金額から、投資に回す金額を意識的に確保していく必要があります。投資でお金を増やすには、しっかりと運用することももちろん重要ですが、それと同じくらい重要なのが、「元手」を増やすことなのです。

 たとえば、10万円を投資に回して、それが3倍になれば30万円。でも、元手を増やして100万円を投資に回すことができれば、それを3倍にして300万円となります。

 筆者も、会社員時代は、手取りのお給料の額を投資に回しただけではなく、ボーナスについてはほぼ全てを投資に回し、元手を大きくしていきました。
 10万円を300万円にするよりも、100万円を300万円にする方が明らかに難易度が低くなることはおわかりいただけると思います。

 投資は目先の暮らしには必要ないかも知れません。でも、準備をできるだけ早く行い、できるだけ早く投資を始めることで、そうしなかった人たちよりも大きなアドバンテージが得られるはずです。

 興味があるならば、まずは少額からでも投資を始めてみてください。きっとあなたの世界が大きく広がりますよ。