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中国国家統計局が4月18日に発表した3月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、中国の『住宅価格』は、前月比で値上がりした都市の数が大幅に増加しました。3月は2月に比べ、特に1級都市で価格上昇が大きくなりました。春節(旧正月)休暇の反動が影響したと考えられます。1級都市では、前年比で『住宅価格』が下落している都市がありますが、地方都市を中心に今後も住宅価格抑制策が続くと見込まれます。
【ポイント1】3月は価格上昇都市が55に増加
2月の44都市から大幅に増加
2018年3月の「主要70都市新築住宅価格動向」によると、主要70都市のうち、前月比で価格が上昇したのは55都市と、2月の44都市から11増加しました。
一方、価格が下落したのは10都市と、2月の16都市から6つ減少しました。また、価格が横ばいの都市は5都市となりました。
【ポイント2】1人当たり所得平均で見て伸び率が加速
春節休暇の影響により、1級都市での反動が大きい
当社の分析によれば、主要70都市の新築住宅価格を1人当たり所得で加重平均すると、3月は全体で前月比+0.33%と、2月の同+0.13%から伸び率が加速しました。
これを1~3級都市別で見ると、1級都市は同+0.07%(2月は同▲0.41%)、2級都市は同+0.30%(同+0.11%)、3級都市は同+0.43%(同+0.29%)と、特に1級都市で2月からの反動が大きくなりました。
地方からの出稼ぎ者が多い1級都市では、春節休暇により多くの人が帰省したことで不動産売買が見送られ、2月には不動産市況が停滞したと見られます。3月はその反動で上昇したと考えられるため、4月には住宅市場は落ち着くと見込まれます。
【今後の展開】今後も『住宅価格』の抑制策が続く見込み
3月の各都市の前年同月比を見ると、瀋陽や大連といった2級都市では未だ二桁の伸びが見られますが、深センをはじめ北京や上海といった1級都市では『住宅価格』は小幅ながら下落してきています。
中国政府は以前より、頭金規制などの住宅購入規制の強化により、『住宅価格』の抑制策をとってきました。金利などの金融政策を用いると、利上げにより企業債務問題が深刻化する恐れもあることなどから、今後もこうした頭金規制などにより住宅市場の過熱抑制を続けると考えられます。
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