「商品構成の優良化」が鮮明、利益成長の持続可能性に高評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
02601 中国太平洋保険集団(チャイナ・パシフィック・インシュアランス)  29.90 HKD
(06/27現在)
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中国太平洋保険は6月26日、寧夏回族自治区の銀川でコーポレート・デーを開催し、アナリストや投資家らと「商品構成改善キャンペーン」の進ちょく状況など、自社ビジネスに関する最新情報を共有した。BOCIはこれを受け、安定的かつ持続可能な成長見通しを指摘。中国の保険会社として質的に最良レベルにあるとして同社を高く評価している。同社株価は現在、2017年予想P/EV倍率(株価EV倍率)0.7倍の水準で取引されているが、これは生保系の大手同業銘柄を下回る水準。年初からの値上がり率も10.5%と、中国平安保険(02318)の35%、中国人寿保険(02628)の20%より明らかに小さいが、BOCIは同業銘柄と比べたアンダーパフォーマンスには根拠がないとの見方。この先、決算発表シーズンを迎えるのに伴い、市場が同社生保ビジネスの優れた質に目を向けるとし、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

同社が上場以来、資産規模、経常収益、EV(エンベデッドバリュー)、新契約価値、利益といったすべての指標が急成長を遂げたが、中でも目を引くのが、商品ミックスの優良化。数年にわたる努力の結果、生保部門の新規保険料収入や新契約価値に占める保障型商品の割合が増加し、16年末の残余マージン残高(5年前の約3倍に当たる1726億元)に占める保障型の割合が63%に達した。また、11-16年には、払込期間10年以上の新契約保険料の割合が16%から43%へ大きく上昇。平均払込期間は8.5年まで伸びた。11年以降、400億元を超える低利幅のバンカシュアランス(保険商品の銀行窓口販売)ビジネスを、800億元規模の高利幅の外交員ビジネスに置き替えたことを意味するという。

孔慶偉(Kong Qingwei)新会長は、総合金融グループへの転身を目指すのではなく、あくまで質を重視した保険事業の成長に照準を合わせる方針を明らかにしている。顧客志向のイニシアチブや商品イノベーションの深化に向け、2度目の「5カ年計画」を策定する計画という。

製品構成の優良化を受け、同社の生保新契約のソルベンシーマージン比率(支払い余力)は17年1-3月に248%と、当局の最低基準を大きく上回り、同社全体の267%にほぼ匹敵する水準に達した。新契約の増加による悪影響は見られず、BOCIは着実な利益貢献を見込んでいる。同社の配当性向は現在53%と、同業銘柄を大幅に上回る水準にあるが、この先一段の引き上げもあり得るという。

BOCIはSTOP方式(生保部門のP/EV)、PBR、PERを組み合わせて設定した目標株価を維持し、同社株価の先行きに対する強気見通しを継続した。高評価の理由として、良質な生保商品ミックスや損保の選択的な引き受け戦略、逆風下でより抵抗力の強い保守的な資産運用戦略、力強い支払い余力――を指摘している。

作成日: 2017年06月27日

 

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