利幅改善で17年上期業績を楽観、18年以降は「Lynk&Co」が成長エンジンに

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル)  17.18 HKD
(07/07現在)
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吉利汽車の自動車販売台数は2017年上期に、前年同期比89.3%増の53万627台を記録した。6月単月では前年同月比90.6%増の8万8773台。同社経営陣はこれを受け、17年通期の販売目標を100万台から110万台に上方修正した。ただ、BOCIはさらに上の120万台を予想し、年末に向けたエンドユーザー需要の持ち直しや主力車種の生産力増強、ニューモデルの寄与などを理由に、この水準は十分達成可能とみている。また、ボルボのプラットフォームを利用した新ブランド「Lynk&Co」の競争力を高く評価し、同ブランドの投入が同社全体の高付加価値化につながる見通しを示した。現時点では、親会社との取引の内容が確定していないため、BOCIはLynk&Coの寄与を利益モデルに組み入れていないが、その代わり、Lynk&Coに対する強気見通しを反映させる形で、目標株価のベースとなる予想PERをより高水準(18年予想PER15倍)に設定。これに伴い目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

BOCIは同社の利益率が当初予想以上に大幅に改善すると予想。17年6月中間期の純利益が前年同期比150-170%増の48億-51億元に達するとみている。この予想値は市場コンセンサス予想(110-130%増の40億-44億元)を大きく上回る水準。理由として、◇主力車種の小売価格の堅調◇スケールメリットの拡大によるコスト低減◇SUVのウエート拡大(16年上期に14.6%、17年上期に45.4%)を受けた製品ミックスのアップグレード◇3工場の稼働で新たに4モデルを投入した16年と比べた初期費用の軽減――を挙げた。市場競争の激化で競合車種の多くは17年に値引きを実施したが、「博越(Boyue)」や「帝豪GS」など、吉利汽車の主力車種は値引きを見送っているという。

Lynk&Coは18年の成長エンジンとなる見通しだが、主力の「吉利」ブランドもニューモデルの投入を受け、さらに販売台数を伸ばす見通し。BOCIは特にMPVについて、前年比8万-10万台の上乗せが見込めるとしている。Lynk&Coの第1号モデル「01」は17年10-12月期に市場に投入される予定であり、その後18年には「02」、「03」の2車種がデビューする見込み。BOCIはLynk&Coの販売台数が17年に1万5000台、18年に15万-20万台と推移し、22年には50万-75万台まで拡大するとみている。

BOCIは利益率の改善見通しを反映させる形で、17年-19年の予想純利益を13.3-22.0%増額修正し、新たに98億元、119億元、136億元に設定した。17年の予想値は市場予想を20%余り上回るが、BOCIは6月中間決算の発表を受け、この先、証券各社による利益見通しの上方修正が相次ぐとみている。また、同社株価が現在、17年、18年予想PERで13.6倍、11.2倍の水準にあることを指摘。「吉利」ブランドの好調や新ブランドLynk&Coに対する強気見通しから、18年予想PER15倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを維持している。

作成日: 2017年07月07日

 

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