PPPプロジェクト減速もマイナス影響は限定的、強気見通しを継続

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03311 中国建築国際(チャイナ・ステート・コンストラクション)  13.16 HKD
(07/05現在)
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中国本土でのPPP(官民連携)プロジェクトの減速懸念から、中国建築国際の株価は最近調整したが、BOCIは市場の過剰反応を指摘し、引き続き同社を有望視している。PPPの履行状況をこれまでやや過大評価していたとして、2017年通期の利益見通しを3.7%減額修正しながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

中国では3月以降の引き締め策を背景に、PPPプロジェクトの履行状況がスローダウンしているもよう。マーケットは同社へのマイナス影響を警戒しているが、BOCIは親会社からの支援や市場シェアの拡大で、その影響を最小限に抑えることが可能とみている。本土の大手ゼネコンが全国の鉄道建設や地方のインフラ建設などを幅広く手掛けるのに対し、もともと香港・マカオを拠点としてきた中国建築国際は09年に本土の建設市場に参入したばかり。保障性住宅建設(09-12年)、インフラ建設(14年以降)を含め、本土で獲得したプロジェクトの大半を地方政府からの受注が占める。中央政府がPPPプロジェクトを奨励する中、地方政府はインフラ建設事業の大半をPPPとして扱っているが、その実、一部は従来型のBOT(建設・運営・移譲)、BT((建設・移譲)プロジェクト。中国建築国際が地方政府から獲得したプロジェクトの多くをBOT、BTが占める。こうした事情から、BOCIは同社のPPPへの依存度が実体以上に高く見えると指摘。これが市場の過剰反応の背景にあるとしている。

PPPプロジェクトのスローダウンによる同社への影響について、BOCIは本土の大手ゼネコンに比べ、限定的とみている。その理由の一つは、同社の売り上げ規模が、中国鉄建(01186)や中国交通建設(01800)の10分の1以下にとどまる点にある。一方、親会社の中国建築(上海A 601668)は建設最大手であり、売上高は9000億元規模。親会社によるプロジェクト1-2件の支援だけで、PPPの遅れによるマイナス影響をほぼカバーできるという。また、同社が工業基金をあてにせず、自前の投資を前提にPPPプロジェクトを獲得しているため、流動性引き締めによる影響が軽微であることも楽観見通しの理由の一つ。中央企業を親会社に持つ同社の場合、相対的に低金利で銀行融資を取り付けることも可能としている。

一方、17年6月中間決算について、BOCIは前年同期実績の低さによる経常増益率の底上げを予想。前年同期比18%の増収、同48%の経常増益を見込む。本土事業のウエート拡大により、粗利益率の改善が期待できるとしている(本土事業の粗利益率は20%、香港・マカオは6-7%)。

株価は現在、17年予想PERで10倍の水準。BOCIはPPPの減速を理由に利益見通しを下方修正し、17-19年の予想純利益伸び率を前年比15%、19%、19%とした。また、17年予想PER12倍に基づいて目標株価を引き上げ、強気見通しを継続している。

作成日: 2017年07月05日

 

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