製品応用範囲の広さや技術力の高さが強み、長期的に「勝ち組」に

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
03969 中国鉄路通信信号(チャイナ・レールウェイ・シグナル・アンド・コミュニケーション)  5.95 HKD
(07/04現在)
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中国鉄路通信信号は鉄道関連の主要コンポーネントの製造で世界的大手。BOCIは製品応用範囲の広さや技術力の高さから、同社が長期的な勝ち組になるとみている。中でも有力なのは地下鉄業務と海外鉄道プロジェクト。ほかにEPC(設計、調達、建設)やスマートシティ、PPP(官民連携)トラム・プロジェクトなどの新規事業が成長エンジンとなる見通しという。短期的には2017年6月中間期の収益減速懸念が重しとなり、IPO価格(6.3HKドル)周辺での売り圧力がくすぶるとしながらも、同社株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。

同社経営陣は17年の新規受注および純利益がいずれも前年比20%の伸びを示すとみている。この予想伸び率はBOCIがカバーする工業銘柄の中で、中国建築国際(03311)と並ぶ最高水準。特に地下鉄業務やEPC、PPPのトラム・プロジェクトなどが受注増や収益増に寄与する見込み。うち新規のトラム関連受注について、経営陣は17年に前年比50-100%の急増を見込む。

また、もう一つのけん引役として海外ビジネスの成長期待も大きい。同社はハンガリー-セルビア鉄道や、マレーシアの南部鉄道および東部鉄道、ロシアの高速鉄道、ケニアのモンバサ-ナイロビ鉄道をはじめとする海外鉄道事業に積極的に関与している。海外事業は前年実績が低いこともあり、15年、16年に前年比58%、144%の大幅増収を記録したが、それでも16年の売上高は27億7000万元と、売り上げ全体のわずか5.6%。BOCIは中期的に、年率平均30%を超える伸びが続くとみている。また、同社全体の17年の新規受注については、前年比20.5%増の596億元を見込んでいる。

同社の主力製品の信号・安全制御システムは応用範囲が広く、鉄道以外にも広がる可能性がある。また、同社は高速鉄道車両向けWiFiシステムのサプライヤーとなる目標を掲げており、同事業の成長余力も大きい。

一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、BOCIは製品ミックスの変化に伴う利幅低下圧力を指摘している。国内の鉄道事業、海外事業の粗利益率が30%を超えるのに対し、地下鉄業務は約20%。EPCやPPPはさらに低く、10%台半ばにとどまる見込み。このため、地下鉄業務およびEPC業務の急成長が利幅低下圧力につながる可能性があるという。

BOCIは17年6月中間決算について利益成長率の減速を見込み、その理由として前年同期実績の高さを指摘している(16年上期は前年同期比41%増益と特に好調だった)。ただ、下期には利益成長率が加速するとし、17年通期では前年比20%の増益を達成するとの見方。17年予想PER16.5倍をあてはめて目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。

作成日: 2017年07月04日

 

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