17年上期の成約額が前年同期比140%増、売れ行き好調や財務の健全性を高く評価

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00960 龍湖地産(ロンフォー・プロパティーズ)  17.44 HKD
(07/11現在)
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龍湖地産の2017年上期の不動産成約額は前年同期比140%増の926億元に達し、早くも通期目標の84%をクリアした。BOCIは成約好調を支えたのが過剰債務ではなく、慎重な計画策定力や強力な執行力にある点を高く評価。予想以上に力強いキャッシュフローを理由に、同社の目標株価を引き上げた。また、17年通期の予想ROE(株主資本利益率)を14%、純負債比率を70%以下と予測し、業界トップクラスの収益成長を予想。同社株価の先行きに対する従来の強気見通しをさらに引き上げている。

BOCIはプロジェクトの完工状況に関するリサーチの結果、一部の高利益率プロジェクトの寄与で、17年6月中間期の粗利益率が30%超(16年通期は29%)に改善すると予測している。さらに全国的な同社のプレゼンスを理由に、販売費及び一般管理費の対成約額比率が大きく上向くことは考えにくいと指摘。上期のコア利益が前年同期比およそ13%増の27億元に達したとみている。

17年上期の純負債比率については、BOCIは70%以下の健全レベルを維持するとの見方。その理由として物件成約状況の際立った好調を挙げた。同社の財務の健全性は、「投資適格」級の格付けを受けた初のオフショア債の起債(クーポンレート3.875%の低水準で5年物シニア債を4億5000万米ドル規模で発行)という形で実を結んだと指摘。一部国有企業並みの財務の強さを理由に、同社株は再評価に値するとしている。

BOCIの調査によれば、ほかにショッピングモール事業も好調。小売販売額は重慶および成都のモールで10%台後半、北京と杭州では20%以上の伸びを達成した。賃料収入は17年上期に、少なくとも前年同期比13.2%増の10億元に上る見通しという。

BOCIは同社の1株当たり予想NAV(純資産価値)を10%引き上げて30.99HKドルに設定した。成約好調を背景とする予想以上のキャシュフローが理由。また、「投資適格」級の格付けを受け、目標算出上のベースとする対NAVのディスカウント率を35%から30%に変更し、目標株価を引き上げた。現在株価が17年予想PBRで1.3倍、予想NAV比で44%のディスカウント水準にとどまる半面、17年予想配当利回りが3.6%に上ると指摘。さらに低負債比率にも言及した上で、その他高成長銘柄と比べた同社株価のバリュエーションの低さに触れ、株価の先行きに対して極めて強気の見通しを明らかにした。一方、レーティング見直しにつながりかねない同社の潜在リスク要因としては、主要都市部での不動産引き締め強化に伴う売れ行き悪化の可能性を挙げている。

作成日: 2017年07月11日

 

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