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『ESG』とは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字をとった言葉です。『ESG』投資は、これらへの企業の取り組みを考慮する投資手法です。具体的には、温室効果ガスの排出削減や、労働環境の改善、企業統治の強化などへの取り組みを進める会社に積極的に投資しようという考え方です。欧米を中心に世界で広がる『ESG』投資は、日本でも新しい投資手法として注目されています。
【ポイント1】欧米を中心に世界で広がる『ESG』投資
『ESG』は長期的な投資パフォーマンスに影響するとの認識
2006年、国際連合が機関投資家向けに『ESG』に配慮した投資をするよう求めた「責任投資原則」(PRI)を提唱したのを機に、『ESG』投資が広がってきています。
『ESG』投資は特に年金などの投資家を中心に欧米で普及しており、2016年現在では世界の『ESG』投資額の9割以上を欧米が占めています。これは、欧米の投資家の間で「『ESG』は長期的な企業業績や株価に影響を及ぼし、ひいては投資家の長期的な投資パフォーマンスにも影響する」との認識が広がっているためです。
【ポイント2】世界最大の年金基金・GPIFも『ESG』投資を強化
2017年から『ESG』投資を開始
『ESG』投資は、日本でも広がりつつあります。例えば、世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は近年『ESG』投資を強化しています。2017年10月には投資原則を改め、「全ての資産で『ESG』の要素を考慮した投資を進めていく」と表明しました。
これと前後して、GPIFは2017年7月には国内株式を対象にした『ESG』指数の採用を発表し、『ESG』投資を開始しました。また同年11月には、グローバル環境株式指数を公募しました。
【今後の展開】『ESG』は企業の成長につながり、注目度は高まっていく
日本経済は景気拡大が続く中で人手不足が顕著となっており、安倍政権が推進する働き方改革にも見られる長時間労働の是正など、労働環境の改善に取り組む企業が増えてきています。こういった動きはいわゆる『ESG』を意識したものと言え、短期的にはコストがかかるような場合でも、長期的に見て企業価値やブランド力の向上につながると考えられます。GPIFが昨年『ESG』投資の強化を発表したことなどからも、企業の『ESG』への取り組みは注目度が高まってきており、今後株式市場での評価向上が期待されます。
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