待望の再生可能エネルギー政策案を発表、補助金制度の維持が追い風に

 国家エネルギー局は3月23日、再生可能エネルギー証書(REC)と同エネルギーの買い取り義務付け制度(RPS)に関する待望の諮問案を発表。これにより、◇REC制度は既存の政府補助金制度に取って代わるものでない、◇RPS+REC政策の下、送電会社は発電会社からの買い取りに際し、補助金適用後の電力価格を満額支払わなければならないなどの規定案が明らかになった。BOCIはRPSおよびREC規定が年内に導入されると予想。風力発電セクターの株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 今回発表された諮問書の対象は再生可能エネルギー全般。風力発電と太陽光発電だけを対象とした現行グリーン電力証書(GC)の後継制度となる。新たなRECシステムは、「水力REC」と「非水力REC」の2種。RPS目標も、「総計RPS」および「非水力限定のRPS」という2種。国家エネルギー局は諮問案の段階で、18年中に国内全域で2種類のRPS目標を実施する意向を示している。

 RPS制度の下、一定量の買い取りを義務付けられるのは、◇省レベルの送電会社◇その他電力販売会社◇自社用発電設備を有する企業◇電力取引に参加している直接の電力購入者。ただ、送電会社以外のシェアはごく小さく、送電会社が圧倒的に大きな再生可能エネルギーの買い手となる。

 特に注目されたのは、「REC取引制度は再生可能エネルギー向け補助金制度には影響しない」との方針が示されたたこと。各省・市の再生エネルギー消費状況を測定する指標として、RECを用いるとした。再生エネルギー発電会社は政府当局から直接補助金を受け取ることも可能だが、自主的なREC取引を通じた受け取りもできるようになる。

 BOCIは国家エネルギー局の新規定が補助金制度に影響しないと分かり、市場の懸念が払拭されたと指摘。また、補助金受け取りまでの期間が約1年から約6カ月に短縮されることで、風力発電事業者のキャッシュフローが改善するとみている。風力発電銘柄の現在株価は純資産価値を下回る水準にあるが、これは補助金受け取りの頓挫による損失見通しが反映されているため。今回の諮問書を受けた警戒感の払拭を機に、関連銘柄の再評価が進むとみている。

 再生可能エネルギー分野の電力消費はすでに上向いており、今後はPRS目標をクリアするための送電会社の積極的な買い取りが、風力発電銘柄などの採算性改善に寄与する見込み。一方、これが結果的に石炭火力発電所の電力需要を圧迫し、火力発電業界の価格環境(一定割合を市場価格で販売している)をさらに激化させる可能性がある。

 BOCIは火力発電銘柄の中で、唯一、華潤電力控股(00836)に対して強気。一方、風力発電銘柄に関しては、華能新能源(00958)、龍源電力(00916)、大唐新能源(01798)の株価の先行きに対し、いずれも強気見通しを付与している。