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『PMI』とは、購買担当者景気指数(Purchasing Managers’ Index)の略で、景況感を推し量る上で注目されている月次の経済指標です。50を上回れば景気拡大、下回れば縮小を示します。3月は、中国の製造業『PMI』は春節休暇明けだったことで前月から上昇しました。一方、アジア圏では低下が目立ちました。米国の通商政策の変化が、中国のみならずアジア各国・地域にどのように影響が出るのか、今後も注目です。

 

【ポイント1】中国の『PMI』は春節休暇の影響を脱して上昇

受注も生産も改善

 中国国家統計局が発表した3月の製造業『PMI』は前月比+1.2ポイントの51.5と、市場予想(ブルームバーグ集計、50.6)も上回りました。2月の春節休暇が過ぎたことに伴い、増産体制に移行したことを反映した動きと見られます。

 内訳をみると、需要を反映する新規受注が同+2.3ポイントの53.3、供給を反映する生産が同+2.4ポイントの53.1と共に前月から上昇し、需要と供給の拡大を示唆しました。

 

【ポイント2】アセアンの『PMI』は低下するも、50超を維持

韓国や台湾の『PMI』も低下

 

 日本経済新聞社が発表した東南アジア諸国連合(アセアン)の3月の製造業『PMI』は50.1となりました。原材料価格上昇の影響などにより、2月の50.7から低下したものの、3カ月連続で節目となる50を上回りました。各国毎に見ると、フィリピンは前月から上昇したものの、インドネシアやタイ、マレーシア、ベトナムなどは低下しました。

 また、韓国と台湾の製造業『PMI』は、それぞれ前月比▲1.2ポイントの49.1、▲0.7ポイントの55.3と2月から低下しました。

 

【今後の展開】米中貿易摩擦の影響がどのように表れるのか注目

 中国の製造業『PMI』は、堅調さを維持しています。しかし、米国のトランプ大統領は鉄鋼・アルミニウムへの関税に続き、中国の知的財産権侵害への制裁を発表しました。中国は報復関税を発表し始めており、米中の貿易摩擦が懸念されます。しかし、両国にとって経済がダメージを被る貿易戦争に陥ることは避けると見られ、最終的には(1)中国の貿易黒字減らし策と、(2)知的財産やIT関連サービスを巡る貿易ルールをターゲットにした「管理された貿易摩擦」になってくると思われます。今後こうした影響が中国やアジア圏の『PMI』にどのように表れるかにも注目です。