納税は国民の義務。税金により人々の暮らしが支えられています。とはいえできれば税金は低く抑えたいのも正直なところ。給料の税金と株式投資の税金、どちらがトクか比べてみましょう。
会社員の給料にかかる税金は?
会社員や公務員の方は、毎月お給料を会社や役所からもらいます。このお給料にかかる税金について、深く考えたことはありますか?
多くの方は、給料明細をもらっても特に詳しく見ることもなく、給料の額と差し引き支給額をみて、「ずいぶんいろいろ引かれるなあ」とぼやきながらカバンの中にしまっているのではないでしょうか。
お給料にかかる税金は、所得税と住民税です。そして通常はこれらの税金は天引き(源泉徴収)されたうえで給料が支給されています。そのため、税率がどのくらいかを知っている方は意外と少ないかもしれません。
給料に対しての所得税の税率は、累進税率といって金額が大きくなるほど高くなります。
所得金額(これは給料の金額から給与所得控除、社会保険料控除などを差し引いた額です)が195万円以下の場合は5%ですが、900万超~1800万円の部分は33%、4,000万円超の部分は45%です。これに復興特別所得税として、税額の2.1%が上乗せされます。
住民税の税率は一律10%です。所得がいくらであっても同じです。
所得税・住民税を合わせた最高税率は55%(これに復興特別所得税が加算)となります。
株式投資ではどんな税金がかかるのか
株式投資でかかる税金は大きく分けて2つです。「配当所得」にかかる税金と「譲渡所得」にかかる税金です。
配当所得は、配当金に対して20.315%の税金が天引き(源泉徴収)されます。もし、他の収入が少なく確定申告したほうが有利であれば、20.315%より低い税率で収めることができます。確定申告しなければ、20.315%の税率で確定となります。
譲渡所得は、株式を売却したときの利益に対して20.315%の税金がかかります。これは他の所得とは切り分けて課税されるので、誰でも共通の税率となっています。
このように、配当所得は他の所得の大きさ次第ですが上限が20.315%、譲渡所得は他の所得にかかわらずみな20.315%の税率となります。
給料と株式投資の税金を比べてみよう!
では、給料の金額別に、所得税と住民税の合計でどのくらいの税金がかかるかを見てみることにしましょう。
なお、便宜上、所得控除は基礎控除のみとし、社会保険料などはないものとして計算しています。
(1)給料年額500万円
税額約52万円、実質税率10.4%
(2)給料年額1000万円
税額約183万円、実質税率18.3%
(3)給料年額4000万円
税額約1617万円、実質税率40.4%
これらと株式投資の税率20.315%を比べてみると、給料が年額500万円や1000万円では、株式投資の税金のほうが高い税率となっています。
しかし、給料が年額4000万円にもなると、株式投資の税金のほうが圧倒的に低い税率となっていることが分わかります。
家族構成によっても多少異なりますが、社会保険料などを加味すると、実質的には年収1500万円が、給料と株式投資の税率がほぼ同じになるレベルです。
株式投資の税金を「安い」と感じられるようになろう
いかがでしょうか?給料の税金は、給料の金額がどのくらいかによって、その税率が大きく異なっているのがわかると思います。
一方、株式投資の税金は、総合課税の配当所得を除けば、一律20.315%です。
給与所得をはじめ、事業による所得や不動産の家賃収入など、総合課税となる所得の最高税率は所得税(復興特別所得税含む)・住民税合わせて約56%です。
では、年収が5億、10億といった経営者や富裕層は、その半分が税金で取られているのかといえば、実はそうでもありません。
なぜなら、高収入の経営者や富裕層の多くは、株式や金融資産に投資をしています。投資から得られる収入は一部の例外を除けば20.315%の税率のみです。だからトータルすると収入に占める税金の割合は半分よりも低くなっていることが多いです。
若いうちは、会社からの給料もそれほど多くはないでしょうから、株式投資にかかる20.315%の税率は「高い」と感じてしまうかもしれません。
でも、高収入の人たちからみれば、20.315%の税率は非常に魅力的なのです。
そして、高収入の人たちは株式などに投資をして、相対的に低い税率を享受してさらに資産を増やしているのです。
皆さんもぜひ、会社で出世したり、独立したりして事業を興すなどして収入を増やし、「株式投資の税率は低い!」としみじみ感じながら、本業でも投資でも成功を収めてくださいね。
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