17年10~12月期にゲーム部門が減速、18年は広告・決済事業が牽引へ

現地コード 銘柄名
00700

騰訊控股

(テンセント・ホールディングス)

株価 情報種類
 462.60HKD
(3/22現在)
 株価
 企業情報
 チャート

 テンセントの2017年10~12月期決算は、売上高が前年同期比51.4%増の664億元、純利益(非GAAP)が同41.5%増の175億元だった。売上高はBOCI予想と市場コンセンサス予想をそれぞれ5%、3%下回る数字。純利益はBOCI予想を2%下回る半面、市場予想から4%上振れた。事業別ではオンラインゲーム収入が予想外に減速し、前年同期比で31.9%増加する半面、前期比では9.2%減。BOCIはこれを受け、ゲーム事業の成長見通しを引き下げるとともに、新規投資に起因する利益率の後退を織り込み、18~20年の予想純利益を7~10%減額修正した。ただ、同社の長期潜在力を反映させるため、目標株価の算出ベースを今回から19年予想値に変更。さらに人民元の先高観測を組み込む形で目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 部門別では、オンラインゲームがやや低調。「ドラゴンネスト」など一部RPGモバイルゲームの収入が落ち込む中、10~12月期の収入が予想外の減速傾向を示した。内訳はモバイルゲーム収入が前年同期比62%増、前期比5.5%減で、PCゲームが同13%増、同12.3%減。BOCIは18年のゲーム収入見通しを前年比18.9%増の1,163億元とし、モバイル、PCについて同32.3%増、8.4%増を予想している。同社は旧正月前にPUBG2作品を投入し、2月のDAUが2,820万人に上った。当面は収益性の高い既存ジャンルから、採算前の新規ジャンルにユーザーが乗り換えることで“共食い”状態となる可能性があり、BOCIは短期的なゲーム部門の苦戦を見込むが、その一方、新規ジャンルの長期の収益化期待は大きいとしている。個別タイトルを見ると、最近では「QQ Speed」が好調。中国のiOSプラットフォームで2月の売り上げランキング2位に入った。

 一方、ソーシャルネットワーク収入は10~12月に前年同期比45.3%増の156億元。有料会員数は1億3,460万人を数えた。BOCIはコンテンツへの積極投資や有料化への許容度の高まりを指摘し、続く18年も前年比37.8%の部門増収を達成するとみている。

 また、広告収入は前年同期比49.1%増の124億元で、うちメディア広告収入が同22%増、ソーシャル広告収入が同68%増だった。このほか、主にオンライン決済ビジネスで構成される「その他収入」は141億元と、同120.6%急増した。BOCIは「18年には広告収入とその他収入の増加ペースがゲーム収入を上回る」との見方。その理由としてテンセントビデオのトラフィックの拡大や「微信」上のソーシャル広告の効率化見通しを挙げた。その他収入は18年も急増ペースを維持する見通しという。一方、同社の18年通期決算については前年比38.2%増収、同31.4%増益(非GAAP)を見込む。

 BOCIは19年予想EPS(非GAAP)を14.44HKドルに設定し、PEGレシオ1.2倍、17~20年の年率平均利益成長率29.4%などをベースに目標株価を引き上げた。新たな目標値は19年予想EPSの35倍の水準。同社株価に強気見通しを継続している。