18年は「質」重視の発展が目標、新エネ車市場でトップクラスに躍進へ

現地コード 銘柄名
00175

吉利汽車

(ジーリー・オートモービル)

株価 情報種類
 25.80HKD
(3/22現在)
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 吉利汽車は2016年に続き、17年も前年比100%超の利益成長を達成した。経営陣は続く18年には単なる高成長ではなく、「質」重視の発展を目指す方針を明らかにしている。BOCIはこの方針が、◇「Lynk&Co」(ボルボのプラットフォームを利用した新ブランド)を含めたブランドの高付加価値化、◇新エネルギー車(NEV)モデルの相次ぐ投入に伴うNEV市場での躍進――を指すとの見方だ。主力の「吉利」ブランドに関しては、18年も好調を維持すると予想。個別メーカーが明暗を分け、自動車業界の集約化が進む中で、同社がシェアを伸ばすとみている。一方、新規ブランドのLynk&Coについては生産上の制約が一部解消されたことなどから、3月には販売台数が大きく伸びると予想している。また、1号モデル「01」の1.5Tバージョンや「02」「03」が4~6月、7~9月に相次いで投入される見通しから、18年通期のLynk&Coの販売目標(15万~20万台)は達成可能との見方。目標株価(18年予想PER16倍)を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年通期の純利益は前年比108%増の106億元に達した。子会社売却益5億6,300元が最終利益を底上げしたとはいえ、売上高も同72.7%増と好調。平均販売価格が前年を6.6%上回ったことで、販売台数の伸び(62%増)を上回る増収を達成した。ただ、下期の平均販売価格は上期並みの7万5,072元。BOCIは18年下期に予定される複数の高額ニューモデルの投入まで、当面は平均価格の横ばい推移が続くとみている。

 18年には「吉利」ブランドのニューモデル7種、「Lynk&Co」3種の発売を予定しており、同社にとっては極めて重要な1年となる見込み(大半が下期に発売される予定)。吉利ブランドの販売台数は1~2月に前年同期比33.1%増。BOCIは通年で150万台を見込む(同社目標は143万台)。これに加え、18年には「博瑞(Borui)」の48V BSG版、PHEV版、Lynk&Co「01」「02」「03」のPHEV版、吉利ブランドの電気自動車を含め、新エネルギー車の登場も相次ぐ見込み。BOCIはこれにより、新エネ車市場で後発組だった同社が一躍、業界トップクラスに躍り出るとみている。

 17年11月に投入したLynk&Co「01」は生産が間に合わず、受注残が約3万台を記録したが、ここ数か月は生産調整が進み、生産力のひっ迫が一部解消された。これに伴い、1~2月に月平均約5,000台だった販売台数が、3月には8,000台に上向く見通し。

 BOCIは今回、平均販売価格やコストなどの想定値を小幅に修正したものの、18年に142億元、19年に190億元との予想純利益は達成可能とみている。また、4~6月期にはLynk&Co「01」の販売増や「02」「03」に対する好反応といった情報が市場に伝わるとの見方。同時に証券各社が目標算出ベースを18年予想から19年予想に切り替える動きが続くとみて、同社株価が過去最高値を更新する可能性もあるとしている。