17年通期に黒字転換、金属相場の上昇などで18年に大幅増益見通し

現地コード 銘柄名
01208

五鉱資源有限公司

(ミンメタルズ・リソーシズ)

株価 情報種類
 5.34HKD
(3/8現在)
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 五鉱資源は2017年12月本決算で黒字転換を果たしたが、BOCIは続く18年についても好決算を見込み、EPSが前年の2.9倍に達すると予想している。金属価格の上昇に加え、豪デュガルド川亜鉛鉱床による初の収益貢献が見込めることが理由。また、デュガルド川が18年上期に商業運転を開始した後、新規の大型設備投資の予定はなく、膨大なフリーキャッシュフロー(純現金収支)が財務の強化に寄与するとの見方。同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 17年通期には1億4,700米ドルの純利益を計上し、前年の1億5,300万米ドルの純損失から黒字に転換した。ペルー・ラスバンバス鉱山の通期フルの貢献で銅販売量が前年比24%増加したことや、国際金属相場の上昇が背景。LME(ロンドン金属取引所)における銅、亜鉛の平均価格は17年に前年比27%、38%上向いた。また、一部資産の売却に伴う970万米ドルの利益計上も通期利益の底上げに寄与した。

 LME銅、亜鉛の18年の平均スポット価格について、BOCIの商品チームは前年比それぞれ18%の上昇を予想している。うち銅に関しては、世界経済の回復や電気自動車(EV)普及に伴う需要増が、引き続き価格上昇を支えるとの見方。一方、供給側では、少なくとも世界生産量の14%に相当する銅鉱山(主にチリとペルー)で人件費引き上げ交渉が行われる運びであり、これが生産状況に影響する可能性を指摘している。亜鉛については在庫の縮小トレンドが価格相場の上昇を支える見通しという。

 18年上期のデュガルド川の商業生産開始に伴い、同社は銅(ラスバンバス)、亜鉛(デュガルド)の両部門で、世界トップ10に入る鉱山を保有する運び。銅、亜鉛相場の値上がりが、同社にとっては直接の恩恵となる。

 デュガルド川の後には大型設備投資の予定はなく、BOCIは18-20年の年間フリーキャッシュフローが17億-21億米ドルに拡大すると予想。これで有利子負債の返済が加速し、バランスシートが強化されるとみて、20年末には純負債比率が100%を下回る可能性を指摘した。財務費用の低減を受けたこの先の利益底上げを見込んでいる。

 BOCIは17年本決算を受け、18年の利益見通しを9%減額修正。さらに各鉱山の加重平均資本コスト(WACC)を5.6-13.0%から6.3-15.0%に上昇修正した。無リスク金利や市場のリターン予想、ベータ値(全体市場との連動性を示すリスク指標)などの上昇を反映させた形。その一方で、純負債の低減見通しを理由に、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げ、長期的な銅、亜鉛のひっ迫観などを理由に、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性のある潜在リスクとしては、コンゴ政府の法改正に伴うKinsevere銅鉱山への悪影響、予想外の銅・亜鉛相場の急落――などの可能性を挙げている。