旧正月シーズンの旅客需要が好調、規制緩和に伴い運賃上昇へ

現地コード 銘柄名
01055

中国南方航空

(チャイナ・サザン・エアラインズ)

株価 情報種類
 10.38HKD
(2/28現在)
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 中国では2018年の旧正月連休(2月15~21日)期間中、航空機利用者数が前年同期比16.1%増の1,140万人に達した。定時運航率は平均91%。国営新華社通信によれば、消費アップグレードや離着陸枠の柔軟な設定を受け、航空旅客数の伸びは高速鉄道(前年同期比9.8%増)を上回ったという。18年年初に国内線運賃に関する規制緩和が発表されたこともあり(4月施行)、航空各社の価格決定力は強まる傾向にある。BOCIは18~19年には需要の伸びが供給の伸びを小幅に上回るとみて、航空運賃の上昇トレンドを予想。中国南方航空のROE(株主資本利益率)が18年、19年に13.6%、17.5%に達する見通しを示した。また、人民元相場に関する想定値を元高方向に修正したのに伴い、目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを維持。同社を引き続き航空セクターのトップピック銘柄としている。

 中国の航空運賃に関する現行規定は、国内線3,500路線のうち724路線について「価格上限」(中国語で市場調節価格)の引き上げを認めるとしているが、その大半が短距離路線。さらに1社に付き、1シーズン(半年単位)当たりの対象をわずか10路線に限定し、1回の引き上げ率を最大10%に制限していた。これに対し、18年4月に施行される新規定は、対象路線を3,500路線のうち1,030路線に拡大し、新たに追加された路線の多くは長距離。1社1シーズン当たりの引き上げ幅は10%に据え置かれるものの、1回に付き、対象路線の最大15%に当たる路線について上限引き上げを認めるとした。BOCIは中国南方航空について、「18年中に対象路線のうち約5%(約50路線)について10%の引き上げを実施する」と予想。19年には値上げ路線数が増えるとみている。

 18年、19年には国内3大キャリア、中国南方航空、中国東方航空(00670)、中国国際航空(00753)の座席供給量の伸びが年率10%以下にとどまる一方、需要の伸びは10%を超える見込み。BOCIは中国南方航空の国内線の旅客イールドが18~19年に年率3~4%拡大するとみている。国際線に関しては横ばい推移を見込む。

 BOCIは18年末、19年末のブレント原油価格に関する想定値を1バレル=60米ドル、59米ドルに据え置く半面、人民元の対米ドル相場に関する想定値を1米ドル=6.40元(修正前6.55元)、6.30元(同6.51元)と、元高方向に修正。これに伴い、同社の18年、19年の予想純利益を7.4%、3.0%増額修正した。

 また、18年、19年の予想ROEを平均15.5%の水準に設定。18年予想PBR(株価純資産倍率)1.60倍をあてはめ、同社H株の目標株価を小幅に引き上げた。良好な利益成長見通しや高ROEを理由に、PBR1.60倍との目標基準は適正との見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、A株に関してはAH価格差をベースに目標株価を引き上げ、同じく株価の先行きに対して強気見通しを据え置いている。