先週は、2万円は守ったものの材料不足で上値は20200円の狭いレンジでのもみあい

先週は、為替が一時1ドル=114円台を突破したことで円安基調となるものの週末に7月SQ清算日を控え、乱高下の可能性もあるため25日移動平均線を上回ってもこれを守れるかどうかとしました。12日のイエレン議長の議会証言で利上げ観測がさらに高まれば日米金利差拡大期待でドル買い・円売りが進み日経平均は25日線を上回って2万円台固めにはいることも考えられるとしました。
結果的には、注目のイエレン議長発言はハト派的なゆるやかな利上げの方向を述べたことで世界の株式市場は、早急な利上げが後退したことで上昇(特にNYダウは最高値更新)しましたが、為替の方は日米金利差の拡大の後退から円安一服となり、日経平均は上昇できませんでした。安値10日(月)の20023円、高値11日(木)20200円と狭い範囲の値動きとなり20118円で引けました。
10日(月)は、前週末に6月雇用統計の結果を受けてアメリカ株高、円安となっていたことでこれを好感し、△151円の20080円(25日移動平均線20040円台)となりました。11日(火)も114円台の円安を背景に△114円の20195円と続伸しました。しかし12日(水)は前日のアメリカ市場で為替が一時114.49円と5日10日の114.37円を更新したあと113円台の円高となったことを嫌気し▼97円の20098円と3日ぶりに反落しました。売買代金は6月26日以来の2兆円割れで薄商いの状況でした。この日のアメリカ市場では注目のイエレン議長の議会証言で追加金利は穏やかなプロセスになるとし、アメリカ経済に対しては楽観的な見方を示したことで、世界的な利上げの流れが世界の経済を鈍化させるという懸念を打ち消すことになりました。このため為替は円安一服となって一時113円を下回る場面もありましたが、株価は大幅上昇となりNYダウは史上最高値を更新しました。このようなアメリカ株高、円高というチグハグな結果を受け13日(木)の日経平均は、どちらへも動けず△1円の20099円で引け、売買代金は2日連続の2兆円割れとなりました。
週末の14日(金)は、前日のNYダウが2日連続の最高値更新となり円が113円台半ばの円安水準だったことで朝方は買い先行で始まり、SQ清算値は20151円となりました。現物は20163円まで上昇して、その後は上値重くSQ値を下回って推移し、△19円の20118円で引けました。売買代金は3日連続の2兆円割れとなっていました。
14日(金)のアメリカ市場は、12日のイエレン議長のハト派的(利上げを急がない)な証言を受けて、この日は6月消費者物価感指数、6月小売売上高がともに予想を下回ったことで、追加利上げ観測がさらに後退し、長期金利が低下してドルは112.27円まで売られました。しかし利上げ後退を好感してNYダウは△84ドルの21637ドル、S&Pは△11Pの2459Pとともに史上最高値を更新しました。シカゴの日経先物は112円台の円高進行となったことで▼70円の20040円でした。
日本市場は海の日で休場の17日(月)のアメリカ市場は、翌日から本格化する決算発表を前に、小動きに終始し、NYダウは▼8ドルの21629ドルで為替は112円台半ばの円高水準のままでした。そのためシカゴ日経先物は▼75円の20035円となっていました。


今週は、為替の動きを横目に2万円水準でのもみあい

今週は、17日(月)が海の日で日本市場は休場だったため4日間しかありませんが、先週末にアメリカ市場では、イエレン議長のハト派的発言と経済指標が予想を下回る結果から早期利上げ観測が大きく後退し、為替は1ドル=112円台の円高となっており、多少期待されていた円安が再びおあずけとなりましたので、日経平均は2万円水準でのもみあいが続くことになりそうです。  決算も本格化してきますが3日連続の売買代金の2兆円割れ状況では相場を引っ張るようなものはでてこず、中小型株、材料株の物色が続きそうです。今週は19~20日に開かれる日銀金融政策決定会合がありますが、最近の長期金利上昇について黒田総裁の記者会見があります。又、20日にはECB理事会が開催され、量的緩和策の縮小についてドラギ総裁が踏み込んだ発言をするのか注目となります。踏み込んだ発言となればユーロ買い・円売りとなってドルに対しても円安基調となる可能性があります。そうでなければ円高基調が目先続くことになります。
チャートを見ると、19900~20300円の間でのもみあいが続いています。為替は7月11日に114.49円と直近の円安を更新したので期待されましたが、すぐに112円台の円高へ逆戻りしたことで方向感がつかめません。14日(金)の日経平均は14日SQ値20151円を下回る20118円で引けましたので、まず、このSQ値を上回る上昇ができるかどうかがポイントとなります。上回れなければ目先の上値のフシとなってしまいます。
本日18日(火)は、対ドルでの112円台への円高進行を受け売り優勢となり、前場は▼44円の20074円で寄り付いたあと下げ幅を拡大し、一時▼175円の19943円まで下げるが、後場になると日銀のETF買い期待で下げ渋るが戻りは弱く▼118円の19999円と6日ぶりの2万円割れで引けました。6月以降の2万円をはさんでのもみあいが今週も続きそうです。材料待ちとなりますが為替が112円台前半の円高基調となっておりアメリカの長期金利の上昇待ちとなります。

(指標)日経平均

先週の予測では、6月の雇用統計の結果を受けて一時1ドル=114円18銭を突破し、円安基調となっていることで25日移動平均線を上回ったものの、その後ここを守れるかどうかとしました。特に週末は7月SQ清算日を控えていることで乱高下の可能性もあり、そのため19900~20300円の中でのもみあいを想定しました。
結果的に、為替が113円台を守ったことで日経平均も7月10日(月)の20023円を安値に2万円台を守り、7月13日(木)には、前日のNYダウの最高値更新を受けて20183円まで上昇しました。しかし、そこからは利益確定売りに押され週末の7月14日(金)は20118円で引けました。
結局、欧米株式は堅調にもかかわらず日経平均は狭い範囲のもみあいで終わりました。
3連休明けの今週は、決算が本本格化しますが、売買代金が3日連続の2兆円割れの状況であり、指数よりも好業績の中小型株、材料株物色の相場が続くことになりそうです。
先週いったん円安基調と思われた為替の動きもアメリカの早期利上げ観測の後退で長期金利が低下し、1ドル=112円台となっていることで日経平均の指数は期待できそうにありません。あいかわらず19900~20300円の間の動きとなりそうです。ただし、14日(金)は7月SQ値20151円を下回る20118円で引けていますので早い段階で上回らないと目先の上値のフシとなってしまいます。

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、引き続き最高値圏でもみあいが続くとし、12日のイエレン議長の議会証言で今後の利上げやバランスシート縮小のスケジュールについて何らかの示唆が与えられるかどうか注目となります。早期の利上げ観測となれば世界の金利が引き上げられる懸念となって世界経済にとってはマイナスとなりますので当面注意が必要としました。
結果的には、イエレン議長は利上げやバランスシートの正常化に言及したものの賃金の伸びが指摘され早期の追加利上げが後退し、14日の6月消費者物価指数が予想を下回ったことでドルが売られNYダウは△84ドルの21637ドルと3日続伸で史上最高値を更新しました。
今週は、イエレン議長の議会証言で早期の利上げ観測が後退し、経済指標が予想を下回っていることでドルは上値を押さえられますが、経済指標の結果によっては、さらに上値を試すことになりそうです。柴田罫線では2014年10月9日の14719ドルを安値とする上昇トレンド(A)の下値斜線に上値を押さえられていますが、先週末に突破しましたので22000ドルが当面の上値ポイントとなります。

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、12日のイエレン議長の議会証言で利上げやバランスシートの縮小について何らかの示唆がでるのか注目になるとしました。14日の6月消費者物価指数が予想を下回れば早期利上げが後退して金利上昇は一服になるとしました。
結局、イエレン議長は金利やバランスシートの正常化に言及したものの利上げの余地は限られているとの見方から早期利上げ観測は後退しました。さらに14日の6月消費者物価指数が予想を下回ったことで、ドル売りが活発化し112.27円まで売られ112.51円で引けました。
 今週も先週のイエレン議長の議会証言を受けて早期利上げが後退したことで、経済指標の結果によってはドルの弱含みが続くことになります。ロシアゲートの問題も懸念が高まっていますので、リスク回避のドル売りも考えられますが、日銀は金融政策は現状維持ですのでドル売り・円買いも限界があります。111~114円のレンジを想定。