今回の格言

「トレンドに逆らうな」

 

どんな格言?

「長いもの=トレンド」には巻かれるべき?

日本のことわざに「長いものには巻かれろ」がある。社会生活を円滑に送るには、自分の意思を曲げなければいけない場面があるよね・・・という含みを持っているので、どことなくネガティブ印象がある言葉だ。

でも、マーケットの世界においては、「大きな流れ(トレンド)=長いもの」に積極的に巻かれても誰にも責められない。逆に、意固地になって巻かれまいとするのは危険ですよと言われている。

今回の格言、「トレンドに逆らうな(Don’t fight the trend)」はまさにそれ。米国のウォール街で生まれたとされる相場格言の1つで、相場の流れ(トレンド)に逆らった投資はすべきでない、という意味だ。

 

どう投資に生かす?

動き始めたら、簡単にとまれないのが相場?

マーケットというのは、いったん方向性が生まれるとその方向へ進む力が強くなる傾向がある。そして、その流れ(トレンド)はしばらく続くことが多い。この強い流れに逆らって投資(売買)をしても失敗することが多い、というのが先人の教え。

言い換えれば、自分の“読み”や投資力を過信過ぎるあまり、「風向き」に逆らって船を出すような無謀はさけるべき、との戒めでもある。同時に、今回の格言は利益をつかむための心得でもある。相場の流れを冷静に判断し、流れ(トレンド)に乗ることは、ムダな損を減らし、かしこく利益を増やすことにつながる。

この考え方が投資を長く続け資産を増やしていくためのセオリーだと歴史が示しているからこそ、似た格言も多い。

  • 「続く流れに逆らうな」
  • 「トレンドは友(Trend is your friend)」
  • 「ついて行くのが儲けの道」
  • 「上げ潮はすべてのボートを持ち上げる(A rising tide lifts all boats)」

などだ。

 

こんな時に使え

世界的に「株」にお金が流れている!

では、いまのマーケットのトレンドはどうか? 日経平均株価などの株価指数は、直近の安値から20%上昇した時点で「強気相場入りした」とみなす方法がある。その観点で言えば、日経平均株価は2016年6月24日につけた年初来安値(14,952円)から20%以上上昇した11月18日(終値:17,967円)に「強気相場入りした」ことになる。

日米欧中の景気は夏場以降、底入れ感を強めていたが、11月8日の米国大統領選挙(トランプ氏当選)で新政権による景気刺激策への期待が広まり、米国の債券金利は上昇。ダウ平均株価など米国の主要株価指数が史上最高値を更新するなか、「グレート・ローテーション」と呼ばれる債券から株式への資金シフトが鮮明になった。さらに、日米金利差の拡大を受けてドル高・円安が進んだことが日本株の上昇トレンドをサポート。

世界のマネー(投資資金)がどこの株式を買うべきかと探している中で、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)の面で割安感がある日本株が「世界の景気敏感株」として選ばれやすくなっていた感がある。米国を中心とする世界の景気改善とドル高・円安の流れが続く限り、スピード調整を挟みながら日本株の堅調トレンドも続くと考えられる。

さて、今回の格言から導き出される答えは?

 

今回のお作法

どデカイ相場のトレンドには逆らわず、身をまかせるのが吉