前日(3月5日)の市場概況

ドル/円:値頃感の買いも入り、106円台に戻す

 トランプ大統領がまいた貿易戦争という新たな火種で、年初来安値を更新したドル/円は、週明けは買戻しが優勢。先週末の安値近辺からスタートして、105.34円で踏みとどまった後は堅調に値を伸ばすとNY時間の午後には106円台を回復。高値106.23円をつけました。終値は106.197円(前日比+0.474円)。(チャート1)

 特別な材料はありませんでしたが、ダウ平均株価が5営業日ぶりに反発したことが安心感となりました。105円台前半まで下げて中期的な買いゾーンに近づいたとの見方もあり、いったんは押し目買いをする動きもありました。

 

 

ユーロ/ドル:ドイツ連立で買い、イタリア選挙で売り

 ドイツで大連立政権が成立することが確実となり、政治空白が解消された安心感から、ユーロ/ドルは東京市場早朝に1.2363ドルま上昇。しかし、イタリア総選挙の結果を受けて一時1.2269ドルまで下げました。(チャート2)

 週末行われたイタリア総選挙では、既成政党を批判する新興政治団体「五つ星運動」と、EU(欧州連合)に懐疑的な「同盟」が事前調査よりも大きく躍進。与党の党首だったレンツィ前イタリア首相は敗北の責任をとって辞任を表明しました。どの政党も過半数には届かないハングパーラメントになることが確実で、連立政権成立までにはしばらく混迷が続きそうです。

 アンチ・ユーロ政権が誕生するリスクが高まっているとはいえ、イタリアがユーロを離脱する可能性は低いとの意見が大勢で、ユーロ/ドルはその後値を回復して1.23ドル前半まで戻しました。

 

 

ユーロ/円:131円台へ大幅反発

 週明けのユーロ/円は、イタリア選挙結果後のユーロ下落に連れて129.35円まで年初来安値を更新。しかし、その後はユーロ/ドルとドル/円が共に上昇したことで130.99円まで大幅に反発しました。(チャート3)なお、今朝の東京時間には131円台にのせています。

 

 

ポンド/ドル:1.38ドル後半まで上昇

 週明けのポンド/ドルは買戻しが優勢。1.3877ドルをつけました。メイ英首相がEUとのブレグジット交渉に自信を示したことを理由に、調整の買戻しが入った模様。(チャート4)