今回の格言

「休むも相場」

 

どんな格言?

「売買を見送る」のも投資行動の一つ

投資行動は、基本的には3つしかない。「買い」か「売り」か「何もしない」かの3種類。という中で、「休むも相場」は、先行き不透明が色濃い相場では「何もしない(売買を見送る)のがベター」という意味の相場格言である。

株式市場(相場)に「買い」から入れば「株価が下落する相場」がリスクとなるし、「売り」から入れば「株価が上昇する相場」がリスクとなる。一方、相場には「上昇」や「下落」だけでなく、「保ち合い(もちあい)相場」や「横ばい相場」や「もみあい相場」もある。保ち合い相場が煮詰まったあとには「保ち合い放れ」と言われる、新たなトレンド形成がみられる場合もある。

売買行動として、上昇トレンドは取り組みやすく、下降トレンドや保ち合い相場は取り組みにくいのが一般的だ。上昇相場でも、「ここで買うべきか? 上がりすぎでは?」と悩むこともあるはず。

では、そのような「やりにくい場面でわざわざ取引をする必要があるのか?」という問いへのひとつの答えが、今回の相場格言である。

 

どう投資に生かす?

地政学的リスク、政治リスク・・・様子見はアリ

たとえば、2017年3月以降の日本株相場では、米国大統領の政策遂行能力を巡る不安、フランス大統領選挙の行方を巡る不安、地政学リスク(シリア情勢や朝鮮半島情勢)を巡る不安などで先行き不透明感が強くなっている。

為替市場ではリスクオフ(回避)の円買いが強まっている。為替が円高で推移したため、日経平均やTOPIXの年初来騰落率はマイナスに(4月10日時点)。

政治動向や地政学的事象には不確実性が強い場合が多く、予測しにくい事象である。こうした不透明要因の先行きを見極め、相場が明確なトレンドを示すまでは、様子をみる(売買を休む)という行動には「理」があると考えられる。

 

今月のお作法

不確定要素が多くよくわからないときは、投資しないのも手