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 昨日、平昌オリンピック(五輪)が閉幕しました(同パラリンピックは3月9日~18日開催予定)。極寒の地での闘志あふれる熱い戦いに釘付けとなった方も多かったのではないでしょうか?今大会では選手の他、人工知能(『AI』)の活躍も見られました。現在、急速に進化を遂げ、様々な場面での活用が進む『AI』は、2年後の東京五輪でも更なる活躍が期待されています。本レポートではそのいくつかの例を見ていきましょう!

 

【ポイント1】平昌五輪では『AI』記者が活躍

過去の記事を基に分析・作成し、“世界一速い五輪ニュース”として配信

 平昌五輪では、韓国通信社の聯合ニュースが平昌五輪の特設ホームページ内で、『AI』が作成した韓国語の速報記事を“世界一速い五輪ニュース”として配信しています。国際オリンピック委員会からの競技結果のデータを、記者が過去に書いた記事を基にして、『AI』が分析・作成しています。これは、ビッグデータを活用した『AI』の一例だと言えます。

 

【ポイント2】東京五輪は、史上最も革新的な大会に

多言語での観光案内や、競技の判定などを『AI』が担う?

 

 東京オリンピック・パラリンピック(五輪)の大会組織委員会は、2020年の大会ビジョンとして、“史上最もイノベーティブ(革新的)で世界にポジティブな改革をもたらす大会とする”ことを掲げています。

 この中で活躍が期待されるのが、『AI』を搭載したコミュニケーションロボットによる多言語での同時通訳です。観光案内や警備などが想定されていて、東京都庁舎や羽田空港などでは、すでにこうしたロボットの実験が始まっています。

 また、国際体操連盟は『AI』に選手の動きや難易度などを学習させて、ひねり具合などを判定できるようにすることを想定して開発を始めています。今後は『AI』による判定や採点が可能となるかもしれません。

 

【今後の展開】スポーツ関連ビジネスへの活用や自動運転の技術革新にも注目

 現在も、過去の試合のパターンなどを『AI』によって分析することで戦略等に活用するなど、スポーツ関連ビジネスでの『AI』の活用も進んでおり、東京五輪に向けてさらに選手をサポートしそうです。また、『AI』の活用例である自動運転車の進化も、東京五輪での活躍が期待されています。例えば、自動運転機能を搭載したタクシーが観光客の移動手段となることなどが想定されています。進化を遂げる『AI』の活用例が急速に増える中、東京五輪では選手の活躍とともに、『AI』の活躍をより身近に体感する機会となりそうです。