前日(2月22日)の市場概況

ドル/円:106円台に失速

 FOMC議事録が公表された後のドル/円は107.90円近辺まで急上昇して、108円台にあと一歩に迫りました。しかし、この日は一転、ドル売りが優勢に。東京時間のうちに107円台前半へ下落しました。

 NY市場の引けにかけてダウ平均株価が急落したこと、さらに日経平均株価も200円超の大幅安となって、リスク回避ムードが強まったことが理由とされました。

 海外時間もドル売りは続き、NY時間の午後には106.59円まで下値を拡大。この日のNY株価は反発しましたが、ドル/円の反応は鈍いままで、終値は106.755円(前日比-0.977円)

 ドル/円は、先週の金曜日の105.55円から今週の水曜日までに107.90円まで戻しました。この日の終値は、ちょうど高値と安値の中間に位置します。3日かけて上昇した半分を1日で失ったことになります。、テクニカル的には、この水準は売りと買いが拮抗していると考えられています。107円方向に戻す力がなければ、一段の円高も考えられます。

 不安定な動きが続く株式市場を見てテールリスクの警戒感を高めるマーケットは、安全通貨(セーブヘブン)とされる円の買いになびいているようです。

 

ユーロ/ドル:5営業ぶりに反発

 FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録で1.2300ドルを割ったユーロ/ドルは、1.2259ドルまで今週の安値を更新した後、1.2351ドルまで反発。

 この日はECB(欧州中央銀行)議事録が公表されました。内容は一言でいうと、「楽観的ながらも慎重」。ECBは欧州経済の見通しに自信を強めながらも、インフレ率はフォワードガイダンスを変更するほど強くないという見解で、1月のようなサプライズはありませんでした。強い買い材料ではありませんでしたが、全体的なドル売りの流れがユーロを持ち上げました。

ユーロ/円:年初来安値を更新

 円高の動きは、ドル/円よりもクロス円の方が強く、ユーロ/円は、131.28円まで下落して、今年の安値を更新しました。(チャート3)

 

カナダ/円:昨年6月以来の安値つける

 カナダ/円は、カナダの12月小売売上高が予想を大きく下回ったことから下落。円高も動きを加速させました。この日つけた83.82円は、昨年6月以来8カ月ぶりのカナダ安/円高水準。

 本日はカナダの1月CPI(消費者物価指数)の発表が予定されています。1月のカナダの雇用データは、失業率が悪化して雇用者数がマイナスになるという予想外の結果。この日の小売売上高も悪く、カナダ銀行(中央銀行)は再利上げに慎重になっていると思われます。その一方で、原油価格の上昇はカナダ経済のプラス要因。今夜のCPIは、カナダ銀行が来月の会合で利上げするかどうかを計る重要なデータとなるため注目です。(チャート4)

 

この指標を見逃すな!2月23日の注目イベント

欧州HICP(消費者物価指数)※改定値、カナダCPI

 

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