「為替」とは、2つの通貨(「円」と「ドル」)を交換すること。この「外国為替」のレートは日々動いており、通貨を売ったり買ったりすることを「FX(Foreign Exchange)と言います。
今回は、実は身近な「為替」の仕組みをカンタンに解説します。
新人のみや:トウシル編集者。為替について何も知らない超初心者。
あらちじゅん:楽天証券FXディーリング部。元スイス銀行コーポレーション(現UBS)で勤務。
実は身近な為替
あらち:外国為替をやっている人は、株投資をやっている人よりも多いって知っている?
みや:え?(驚)そうなんですか?
あらち:海外旅行にいったときに、通貨を交換するでしょ。それも外国為替だよ。
みや:そういえば、「ドル安・円高」を狙って両替していたりしています!これも外国為替ですね。
あらち:外国為替は、貿易を行う企業が、通貨の変動によるリスクを回避するために資金を調達するために生まれたものなんだ。
みや:輸出や輸入のために外国の通貨を日本円に変える必要があるからですね。為替レートは毎日、常に変わっているから大変そうだなあ。でも、なんで為替レートって動いているのですか?
為替レートはなぜ動く?
あらち:為替は株と同じように、「需要と供給」で相場が動くんだ。ある国の通貨がほしい(需要)と高まれば、その通貨は高くなるんだ。2017年は1ドル=118円まで「ドル高・円安」が進んだんだ。これは、「ドルがほしい人が増えた」ってことだね。
その理由は「金利」が影響しているんだよ。つまり、銀行でお金を預けたときの利息。下の表を見て。
世界の通貨、金利ってどれくらい?
この表は、日本では100万円預けたときに1年後に+300円になるのに対して、米国だと+2,000円になるってこと。
みや:え! だったら米国に預けたい!
あらち:そうやって、米国にお金が集まっていくから「ドル高・円安」になるんだ。さらに景気がいい米国に投資するために、日本の会社などが「ドルを買う」からね。
みや:政策や景気…通貨を通じて、「国」を見ているんですね。
あらち:その通り。そして、でも「ドル安・円高」にもなる。
みや:え?米国の金利がよくてドルが強いのに「ドル安」に!?なんでですか?
あらち:NYダウ平均(日経平均株価の米国版)が大幅に下がるとドル安になりやすい。為替は、通貨・国・企業の売買・イベント……いろいろな要素がからみあっているし、相場は動いているから、「ドル高」になったあとには、「ドル安」に向かっていくんだ。
みや:そんなことを言われても・・・。(なんだか怖いなあ)もっと予測して動くことはできるのですか?
為替のレートは予測できるの?
あらち:企業や機関投資家(年金や保険)が多額の売買をするとレートが動くよ。特に新年度(日本では4月)やボーナスの時期やM&A(買収や合併)が行われたときにね。
正直言うと、プロでも予測をするのはかなり困難。為替取引はいろいろなやり方があるけれど、「短期取引」が一般的なのは、これが理由なんだよ。短期間で為替差益を狙うほうが1回ずつのリスクは少ないからね。
為替は24時間売買ができることを知っているかな?いつでもできるから、短くても空き時間で取引ができるよ。もちろん、「外貨預金」で金利を受け取るような「長期取引」もできるけどね。
何でドル/円なの?
あらち:通貨はたくさんあるけど、身近な「ドル/円」からはじめるのがいいと思う。アジアや南米などの新興国も盛り上がっているけどね。ドルをおすすめする理由は、「世界の通貨」だから。
みや:世界の通貨?
あらち:たとえば、日本の会社がインドの会社とやりとりをするときには、ルピーではなく、ドルを使うことが多いんだ。つまり、「ドル」のほうが信用されているからだね。そして身近でニュースでもよく見るから、情報が得やすいしね。
みや:おお! まさに世界の通貨!
あらち:最後に伝えておきたいのは、仮想通貨とは違うってこと。
国の通貨(信用がある)は、突然なくならないからね。ドルがいきなり消えることは、ないに等しいからね。リスクがある国もあるから注意は必要だけど。
みや:寝る前のゲームをやめて、10分為替をやってみようかな。まずは1枚(1,000ドル)≒10万円で、10銭動いたら売買するとかどうですか?
あらち:いいんじゃない? 大切なのは、自分がどのような取引スタイルで取引するか、を決めておくこと。だめなのは、短期取引のはずが、いつのまにか長期取引に変更していること。リスクがどんどん高くなるから気をつけてね。
みや:予測を自分で考えるのは難しそう…。
あらち:平日毎日午前中「毎ヨミ!為替Walker」で為替予想をしているから、そこで確認するといいよ。
みや:はい。お金は大切なので、プロの見方で見て勉強させてもらいます!
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