連休明けのため4日間の取引だった先週の国内株市場ですが、週末2月16日(金)の日経平均株価は2万1,720円で終値を迎え、前週末終値(2万1,382円)からの上昇幅は338円となりました。週足ベースでは4週ぶりの反発を見せたほか、値動きも週末にかけて下落から上昇に転じる展開だったことで、相場のムードに明るさが感じられつつあるような印象です。

 今週の日経平均はこうした明るいムードを引き継いで、株価の戻りを試すことができるのかが注目されますが、相場とは直接関係は無いものの、男子フィギュアスケートや女子500mスピードスケートで日本中が沸いた週末の熱気も追い風にしたいところです。

図1 日経平均(日足)の動き :2018年2月16日取引終了時点

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

まずは上の図1にある日足チャートで足元の状況を確認します。

 先週のローソク足の並びは、陰線2本から陽線2本となっていて、冒頭でも述べた通り下落から上昇に転じています。株価は200日移動平均線がサポートとして機能し、これまで上値を抑えてきた5日移動平均線を上抜けてきました。

 その一方で、前回も紹介した2月6日(火)の急落時のローソク足との比較では、あまり状況は変わっていません。

 揺らいだ気持ちを示す下ヒゲの範囲内での推移が続いた後、週末16日(金)になって、ようやく実体の範囲内に食い込んできたという段階です。実体は相場の勢いや強さを示すとされていますので、下方向への勢いを跳ね返し、本格的な戻り基調に戻すためには、この実体の水準を上抜けていくことが必要ですが、上方向への意識は強まりつつあるものの、まだ「次の相場展開」待ちから抜け切れていないことがわかります。

 とはいえ、前回、上値の目処として想定した(1)6日ローソク足の終値である2万1,610円、(2)節目の2万2,000円、(3)6日ローソク足の始値である2万2,267円、(4)「窓」埋め完了の2万2,659円辺りのうち、先週の値動きで(1)は超えてきています。

 次は(2)の2万2,000円超えが目標になるわけですが、週末の日経平均先物(大証とCME)がそれぞれ、2万1,900円、2万1,875円で終えているため、すぐにでも手が届きそうな距離感です。後でも触れますが、実は、中長期的なトレンドにとって2万2,000円は単なる節目以上の意味を持っている可能性があります。

 その前に、短期的なトレンドを平均足とMACDで見ていきます。

図2 日経平均(日足)の平均足とMACD:2018年2月16日取引終了時点

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 平均足とMACDの組み合わせはトレンド転換の判断材料としてよく使われます。そのサインは、平均足の陽転(陰転)とMACDとシグナルのクロスです。上の図2では、先週の値動きによって平均足が陽転し、あとはMACDのクロス待ちの状況です。

 ここで注目するのは平均足です。一見するとローソク足と似ていますが、あらためて平均足について説明します。

 平均足は、ヒゲが示す高値と安値はローソク足と同じですが、実体の描き方が異なります。平均足の始値は、前日の平均足の半分の値段にとなり、終値は当日の四本値(始値・高値・安値・終値)の平均値になります。つまり、前日の値動きの中心から当日の平均値段が上昇(下落)したのかを比べたものが平均足の特徴です。

 ここで、週足の平均足とMACDの組み合わせを見てみます(下の図3)

図3 日経平均(週足)の平均足とMACD:2018年2月16日取引終了時点

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 図2の日足バージョンとは違い、こちらは平均足の陰転とMACDのクロスが出現し、下落トレンドが意識され始めた格好になっています。ここから再び上昇基調に戻すには平均足が陽転することが必要です。

 先ほども述べた通り、平均足の始値は「前の平均足の実体の半値」です。となると、今週の平均足の始値は2万2,023円とほぼ2万2,000円水準になります。今週の値動き(四本値)の平均がこの2万2,023円よりも高くなることが陽転となる条件です(下の図4)。

図4 日経平均の平均足(週足)の状況

出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成

 つまり、2万2,000円台乗せを確実にすることが、株価復活への狼煙となり、スタート地点に立つことを意味することになります。