第1回では、資産運用の4つのステージについて見てきました。第2回では短期で利益を追求する投資(第2ステージ)がなぜうまくいかないと見えるのかについて見ていきたいと思います。
第2ステージにいる人も「自分はうまくいく」と思っている
短期で儲けたいと思っている時に、「短期で利益を追求しようとしてもなかなかうまくいきませんよ」と言われたら、「自分は違う」「自分には能力がある」、もしくは、「自分は短期だけれども割安を見極めているので第2ステージではなく第4ステージにいる」と思われるかもしれません。だれも損をするために投資はしていないので、皆、「自分はうまくいく」と思っているのです。
では、実際にうまくいっているのか、投資経験者の方はこれまでを振り返ってみてください。
- 運用を始めてからトータルでプラスになっていますか?
- 波はありながらも右肩上がりに利益は増えていますか?
もし、殖えたり減ったりしながら変わっていない、もしくは減っているとしたら第2ステージにいる可能性が高いと思います。
うまくいかない人の見え方
資産運用で成功している人とうまくいかない人との差はどこにあるのでしょうか?私にはマーケットに対する見え方が両者では違うように見えます。
相場が下落して、資産が減った時に、怖さや不安が出てきたりしませんか? 逆に上昇して資産が殖えた時には、気分が高揚していたり、ワクワクしていませんか?イギリスの国民投票でEU離脱の結果となって相場が大きく下落した時、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が選出されることが確実になっていく過程で相場が大きく下落した時、どのような感情が起きてきましたか?
保有している投信が上がったら「良い投信」、下がったら「良くない投信」に見えていませんか? 保有している株が上がったら「良い会社」、下がったら「良くない会社」に見えていませんか?
「自分は会社をきちんと調べているし、投信についても勉強して選んでいるから、そんなことはない」と思われるかもしれません。それでも、実際に運用がうまくいっていないとしたら、こうなっていませんか?保有株、保有投信の値動きによって自らの感情が左右されていませんか?株価・基準価額の上がり下がりで会社や投信の評価が変わっていませんか?
株を例にあげると、うまくいかない人は株価の値動きを見ているので株が下がると「良くない会社」に見えてしまう、一方で、成功する人は会社の事業を見ているので株が下がると「安くなった会社」に見える、私にはこの差のように思えるのです。
上がってワクワクしてお金を投じてしまい、下がって怖くなって踏み込めない、もしくは売却してしまう、保有した株が下がると良くない会社に見えて売却してしまう、保有した投信が下がると良くない投信に見えて売却してしまう、うまくいかない人は一喜一憂しながら「高いところで買い、安いところで売る」を繰り返しているように見えます。
そして、この感情に左右されやすい、一喜一憂しやすいステージが、短期で利益を追求する第2ステージだと私は見ているのです。
第2ステージにいる人のほうが普通の人
ここでこのようなことを言うと変に思われるかもしれませんが、一喜一憂してしまう人、第2ステージにいる人のほうが普通の人です。私には多くの人が「自分はうまくいく。自分は大丈夫」と思いながら、この第2ステージにいるように見えます。
人間は、普通は一喜一憂するようになっていると見ています。一喜一憂すること自体、悪いことではありません。普通です。そして、今、たとえうまくいっていないとしても、その先のステージがあるので決して悲観することもありません。
では、その先のステージとはどうなっているのでしょうか?
次回は第3ステージについて見ていくことにしましょう。
本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。