人気TOP3で最も投資効率が高かったのはインフラ関連株式

2014年10月10日現在、日本国内の投資信託(ETFを除く)における純資産総額上位3本は、「新光US-REITオープン」、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」、「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」です。いずれも好調なパフォーマンスと高い分配金を理由に資金を集めてきましたが、この3本の中で過去3年間の運用実績が最も高かったのは「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」です。ハイイールド債券並みの価格変動リスク(標準偏差)で米国REITを上回るリターンを獲得しており、より低いリスクで高いリターンが得られる投資効率の高い資産クラスといえるでしょう。

純資産残高上位3ファンドの過去3年間の運用実績(2011年9月末=10,000で指数化)

順位 純資産額
(百万円)
ファンド名 会社名 ①過去3年
リターン(年率)
②過去3年
標準偏差(年率)
③投資効率(①÷②)
1 1,299,485 新光 US-REITオープン
『愛称:ゼウス』
新光 25.41% 16.16% 1.57
2 1,264,407 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド フィデリティ 22.44% 10.64% 2.11
3 1,248,888 野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型) 野村 30.62% 11.15% 2.75

注:2014年9月末時点。
(出所:ISIDフェアネスのデータをもとに楽天証券が作成)

インフラ投資とは?

「インフラ」とは、社会資本=インフラストラクチャーの略で、電気、ガス、上下水道、通信、道路などの日常生活や経済活動に必要不可欠な社会基盤を指します。こうしたインフラ資産への投資がインフラ投資です。具体的には、配電網やパイプライン、空港などを対象に、これらを建設、維持、または運営する会社や事業権に資金を投じ、通行料や使用料などで収益をあげる仕組みです。

従来、インフラ資産は主に政府が管理していましたが、一部の国では民営化が進み、インフラ資産を所有する企業が発行する株式(インフラ関連株式)などを通じて投資できるようになっています。インフラ投資は長期で安定的なリターンが期待できる資産クラスとして、年金基金などの機関投資家を中心に注目が集まっています。

インフラ投資のイメージ

(出所:新光投信「ワールド・インフラ好配当株式ファンド」販売用資料より抜粋)

インフラ関連株式の魅力とは?

インフラ関連株式の魅力は、以下の3点が挙げられます。

  • 魅力①:インフラ関連企業の収益構造の特性=安定した企業業績
  • 魅力②:先進国、新興国ともに旺盛なインフラ需要が期待される
  • 魅力③:海外株式、海外REITよりも高い配当利回り

魅力①:インフラ関連企業の収益構造の特性=安定した企業業績

インフラ関連企業は、①インフラ資産の使用料などを主な収益源としていること、②長期契約に基づく事業が行われていること、③多額の資本を必要とする独占的な事業が多く、新規参入の障壁が高いことなどから、一般的な事業会社と比べて景気変動や価格競争の影響を受けにくく、安定的な企業業績が期待できるといわれています。

(出所:新光投信「ワールド・インフラ好配当株式ファンド」販売用資料より抜粋)

魅力②:先進国、新興国ともに旺盛なインフラ需要が期待される

世界のインフラ需要は今後ますます拡大することが予想されています。先進国においては、高度経済成長期に建設したインフラ設備の補修需要が見込まれていること、新興国においては電力不足や上下水道未整備の解消、人口増加に伴うエネルギー需要の増加、経済発展に伴う輸送インフラの整備など、大規模なプロジェクトが計画されています。

アジアのインフラ投資ニーズ

米国のインフラ補修費用

(出所:新光投信「ワールド・インフラ好配当株式ファンド」販売用資料より抜粋)

魅力③:海外株式、海外REITよりも高い配当利回りと良好なパフォーマンス

インフラ関連株式は、その安定した事業から発生する潤沢なキャッシュフローにより、一般的な海外株式や海外REITよりも高い配当利回りが期待できます。また、高い配当利回りを複利運用することで得られる長期的なトータルリターンは、他の資産クラスを大きく上回る傾向にあります。

インフラ株式と他資産の利回り比較

各資産のパフォーマンス推移(円換算、配当込み)
期間:2004年8月末~2014年8月末(月次)、2004年8月末を100として指数化

※インフラ株式(参考指標):Dow Jones Brookfield Global Infrastructure Composite Yield Index
グローバルREIT:S&P グローバル REIT指数
グローバル株式:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス
グローバル国債:バークレイズ・グローバル国債インデックス
(出所:ブルームバーグ、バークレイズのデータを基に新光投信作成)

意外と見過ごされている(?)好実績のインフラ関連株ファンドはこれだ!

インフラ関連企業の安定的な業績、良好な投資環境、高い配当利回りを背景に、「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」が純資産1.2兆円という人気ぶりになっていますが、同じタイプで好実績のファンドが他にもあることは、案外見過ごされているのではないでしょうか。

楽天証券取り扱いのインフラ関連株ファンドの中で、過去においてもっと良好な成績を残しているファンドや、より高い配当収入が期待できる銘柄に投資するファンドが、こちらです!

インフラ関連株式ファンド(為替ヘッジなし、または米ドルコース)の過去3年間の運用実績(上位3ファンド)

過去3年
リターン順位
ファンド名 会社名 純資産額
(百万円)
過去1年
リターン
過去3年
リターン(年率)
1 世界好配当ピュア・インフラ株式ファンド
(毎月決算型)
新光 4,837 37.95% 31.59%
- ワールド・インフラ好配当株式ファンド
(毎月決算型)
新光 27,179 37.84% --
2 世界インフラ関連好配当株式 通貨選択型
ファンド(米ドルコース)
三井住友TAM 13,245 33.67% 30.95%
3 野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信
(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)
野村 1,248,888 33.81% 30.62%

注1:1位の「世界好配当ピュア・インフラ株式ファンド(毎月決算型)」と「ワールド・インフラ好配当株式ファンド(毎月決算型)」は同一のマザーファンド「世界好配当ピュア・インフラ株式マザーファンド」に投資している。
注2:2014年9月末時点
(出所:ISIDフェアネスのデータをもとに楽天証券が作成)

業界の大人気ファンドを上回る運用実績

  • ワールド・インフラ好配当株式ファンド(毎月決算型)/(成長型)
    当ファンドは、上表の1位「世界好配当ピュア・インフラ株式ファンド(毎月決算型)」と同一のマザーファンドに投資しています。過去3年の運用実績は、「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」を上回っていますが、純資産総額の規模はそれほど大きくなく、意外と見過ごされている実力派ファンドといえるでしょう。実質的な運用を行うのは、AMPキャピタル・インベスターズ・リミテッド。同社はオーストラリア最大規模の運用会社AMP社の子会社で、世界のインフラ関連企業の投資において有数の会社として知られています。当ファンドには、毎月分配金を出さない成長型もあるため、複利運用で長期的な成長を目指す投資家に向いています。

配当利回り6%+為替ヘッジプレミアムで高分配を期待

  • 世界インフラ関連好配当株式 通貨選択型ファンド
    (円コース/ブラジル・レアルコース/豪ドルコース/アジア通貨コース/米ドルコース)
    当ファンドの実質的な運用を行うのは、BNYメロン・グループ傘下のザ・ボストン・カンパニー。運用の特徴は、インフラ関連株式のなかでも相対的に高い配当利回り、配当成長が期待できる銘柄に集中投資することにあります。ポートフォリオ全体の配当利回りの目安を6%程度に置いていることから、分配金を重視する投資家に向いているファンドといえるでしょう。当ファンドは通貨選択型のため、通貨コースを選択することで高い分配金も期待できます。