IMMポジション推移(1/9 ~ 1/30)

 

円:ネットショート、縮小。円買い枚数が大幅増加。

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表による1月30日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場における投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は11万4,696枚のショートで、円の売り持ちが多い状況が62週続いています。ドル換算では、約130億ドル相当のドルの買い持ち(円の売り持ち)。円ショート金額は前週比6.7%(約4億ドル相当)縮小しました。

 売買別の増減率は、買い建玉(円ロング)が前週比プラス28.4%、売り建玉(円ショート)は前週比プラス1.5%。円買い建玉の増加が目立ちました。

 ムニューシン米財務長官の「ドル安は良い」発言と、黒田総裁の日銀緩和縮小を予感させる発言によってドル円は108円台へ急落。円高の動きを反映して、IMMの円ショート枚数が減少しました。しかし、先週末の米雇用統計発表後に盛んになったドルショートの買戻しで、ドル円は110円台に戻しています。今週になって株式市場は大波乱となっていますが、ドル円の反応は限定的です。いずれにしても、今回のレポートにはこの動きは含まれていません。ポジションが来週までにどのように変化しているか注目です。

IMM円  2016.01 ~ 2018.01

 
 

ユーロ:ネットロングが増加中

  • ユーロのポジションは、買い残高が多い状況が39週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス14万8,742枚で、前週比2.8%増加。
  • ユーロ金額に引き直すと、約186億ユーロ(=約232億米ドル)のユーロ買い持ち。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比マイナス1.6%、売り建玉はマイナス7.0%。買い建玉はやや減りましたが、それ以上に売り建玉が減りました。

IMMユーロ  2016.01 ~ 2018.01

 

 

豪ドル:ネットロング前週比2割減。売り建玉増える。

  • 豪ドルのポジションは、買い残高が多い状況が4週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス1万3,151枚で、前週比21.2%減少。
  • 豪ドル金額に引き直すと、約13億豪ドル(=約10億米ドル)の豪ドル買い持ち。
  • 順調に積み上がってきた豪ドルの買いポジションですが、今回は小休止が入りました。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比マイナス0.1%、売り建玉は前週比プラス7.4%。買い建玉は横ばい、売り建玉が増えています。

IMM豪ドル  2016.01 ~ 2018.01

 

 

ポンド:ネットロングやや減る。

  • ポンドのネットポジションは、買い残高が多い状況が10週続いています。
  • 買い建玉から売り建玉を引いたネット枚数はプラス3万1,741枚で、前週比3.9%減少。
  • ポンド金額に引き直すと、約20億ポンド(=約28億米ドル)のポンド買い持ち。
  • 建玉別の増減率は、買い建玉が前週比マイナス3.7%、売り建玉は前週比マイナス3.6%で売り、買い両方の建玉が減りました。
  • メイ首相がソフトブレグジットへ方針転換したこと、EU(欧州連合)が英国に歩み寄りを見せていることが明るい材料となってとなって、ポンドは2016年英国民投票以来の高値を更新しています。今後も買いポジションが増えることも考えられます。

IMMポンド  2016.01 ~ 2018.01