米金利の上昇がついに株価暴落を引き起こし、一方でドルが買い戻された波乱の週末を終え、2月第2週を迎えた今週のハイライトは、RBA(オーストラリア準備銀行)、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)、そしてBOE(英国準備銀行)の政策金利発表です。

 RBAは6日の政策会合で政策金利を現行の1.5%に据え置く見通し。RBAのロウ総裁は、昨年11月の講演で、「インフレ加速の兆候がない限り利上げはしない」とコメントしました。また、「RBAは、BOEやカナダ銀行のような保険をかけることはない」として、他の中央銀行が実施しているインフレ予防的な利上げにも関心がないことを明らかにしています。RBAの利上げは、2019年の第1四半期以降になるとの見方が大勢。ただ、豪ドルは、世界的な好景気を背景に堅調地合いが続くと思われます。

 RBNZは8日の政策会合で政策金利を現行の1.75%に据え置く見通し。現時点では、OCR(政策金利)引き上げの前倒しは計画していないようです。RBAとRBNZの経済見通しの違いが豪ドル/NZドルのレートに反映されるので、こちらのクロスも注目したいところです。また最近NZ高が急速に進んでいるため、RBNZの口先介入にも注意が必要です。

 BOEは8日の政策会合で政策金利を現行の0.5%に据え置く見通し。カーニー・BOE総裁は、英経済に楽観的な見通しを示しています。ただし、EU離脱の移行期間など、ブレグジットがつつがなく進むことが大前提。BOEの次回利上げは5月と予想されていますが、3月にEUと締結する移行期間の条件次第では、先送りもありえます。

 9日発表の英国の9月鉱工業生産は前月比-0.9%の予想。BOEは楽観的とはいえ、ブレグジットが徐々に英国経済をむしばんでいることも事実であり、対外不均衡の拡大懸念もあって長期的なポンドの見通しは明るいとはいえません。

 カナダの1月失業率は1ポイント上昇して5.8%の予想。新規雇用者数は、1.00万人の増加が見込まれています。米国の金利が上昇するほど、カナダ銀行対する利上げ期待も高くなり、これがカナダドル高の一因になっています。一方でカナダ高がインフレ見通しを弱めるというジレンマもあります。