1月25日:4G加入数が17年末に10億件の大台到達、18年もデータ利用の拡大に期待

 中国の4G加入件数は2017年末時点で10億件の大台に達した。通信業界のサービス収入は17年に前年比6.5%増加したが、BOCIはこの先さらに加速するとの見方。業界全体で平均DMU(1人当たり月間データ利用量)の急増が続く見通しを示した。ほかに4Gネットワーク投資の減速を受けた利益率の改善、サービスのオンライン化に伴う効率向上などを楽観見通しの要因とした。通信セクターのトップピック銘柄はチャイナ・ユニコム(00762)。中国3大ネット企業「BAT」こと、テンセント(00700)、アリババグループ、百度(バイドゥ)やJDドットコムとの提携が18年に実を結ぶとの見方。

 中国の4G加入件数は17年末時点で10億件と、携帯電話ユーザー総数の70.8%に達した。17年の4G加入純増数は2億3500万件。通信キャリア別に見ると、チャイナ・モバイル(00941)の純増数が1億400万件で最大(シェア44.4%)。BATとの提携効果を受け、チャイナ・ユニコムの純増数も7030万件(シェア30%)に上った。

 固定ブロードバンドを見ると、17年の新規加入数は4700万件で、年末時点の加入総数は3億2300万件。チャイナ・モバイルの純増シェアが75%と最も大きく、以下、チャイナ・テレコム(00728)が22%だった中国工業情報化部(MIIT)によれば、通信速度50Mbps以上の利用者がブロードバンドユーザー全体に占める割合はすでに67%強。ファイバー接続が全体の84%を超えたという。

 BOCIは通信セクターに対する楽観見通しの理由として、◇DMUの伸び◇利幅の改善◇設備投資の減速――3点を挙げている。うちDMUの伸びは17年半ばから倍増ペースで推移し、通信サービス収入の伸びに寄与。11月には前年同月比140%増を記録した。通信サービス収入は17年1-11月に前年同期比6.5%増加したが、BOCIはDMUの大幅増が続くとみて、18年に関してもほぼ同水準の伸びを見込む。一方、利益率の改善が期待できるのは4Gおよびファイバー・ネットワークの増設期が17年にピークに達したとみられるため。BATと提携したチャイナ・ユニコムを中心に、通信サービスのオンライン化が進んでいることも利幅改善観測の一因という。また、キャリア3社の18年の設備投資について、BOCIは前年比10%減の2920億元を見込んでいる。

 BOCIは通信セクター全体に対して強気のレーティングを付与し、個別では3大キャリアと中国通信服務(00552)の株価の先行きに対し強気見通しを示した。トップピック銘柄はチャイナ・ユニコム。クラウドコンピューティング参入や“新型小売り”(ネット、実店舗を問わず、あらゆる販路・流通経路を融合させる形態)部門の好調な出足を指摘し、成果が18年に顕在化する見通しを示した。混合所有制改革の最終段階を迎えたチャイナ・ユニコム・グループは、BATとJDドットコムから非常勤役員計4人を迎え入れる運び。有力ネット企業4社との事業提携を成功させる上でカギになるという。