前日(01月26日)の市場概況

ドル/円:黒田総裁発言でドル/円は安値更新

 トランプ大統領の「ドル高を望む」発言によるドルの買戻しで、ドル/円は、東京時間の午前中に109.75円まで上昇しました。

 しかし、NY時間になって、黒田総裁が「日本は2%のインフレ目標に近づいている」と発言したと伝わると、日銀の金融政策に対する思惑でドル/円は108.28円まで円高が進み、昨年9月以来の安値を更新。その後、日銀筋から「インフレ見通しに変更はない」との打消しコメントで109円台まで戻しましたが、上値は重く、終値は108.641円(前日比-0.772円)でした。(チャート1)

 護主義政策をとるトランプ大統領がどの程度までドル高を許容するかは疑問です。ちょうど1年前の2017年1月31日、トランプ大統領は「日本は通貨切り下げで利益を得ている」、「日本は何年もの間、通貨安誘導に頼ってきた」などと、日本の通貨政策を強烈に批判しました。このときドル/円は114円近辺から112円割れ寸前まで急落しています。

 

 

ユーロ/ドル:やや買い疲れ

 先週1月25日(木)に1.2537ドルの高値をつけたユーロ/ドルは、トランプ発言後につけた安値1.2363ドルから、金曜日は1.2493ドルまで戻しましたが、その後は勢いを失い、NY時間の引けにかけて1.2406ドルまで再下落しました。(チャート2)

 

 

ユーロ/円:黒田発言で134円台へ急落

 136円前後でしばらくもみあいを続けたあと、黒田発言で2週間ぶりの安値となる134.54円まで急落。

 いったん135円台半ばまで戻しましたが回復は続かず、134円台で引けました。(チャート3)