「日経平均株価」とは、東証1部に上場している企業225社の平均株価のこと。相場全体の流れを読み取れるため、よく使われます。また、日経平均株価(以下:日経平均)と連動する投資信託もあり、手数料が安いことから、人気を集めています。

 日経平均の値動きについては投資家にとって誰もが気になる動きです。今回は楽天証券研究所の窪田真之に日経平均の動きや見方について直撃しました。

新人のみや:トウシル編集者。投資をはじめようと思っている。


 

くぼたまさゆき楽天証券経済研究所所長。25年ファンドマネージャーの経験を持つストラテジスト。

 

日経平均株価はなぜ動くのか?

くぼた:日経平均株価は2018年の1月に26年ぶりの高値に上昇したね。こんなに上がっても配当利回りなどの株価指標で見て、割安に感じているよ。これをまさに「割安株」というね。AI、IoTなど新しい成長テーマが出てきていることも魅力的だ。

出所:楽天証券経済研究所が作成日経平均月足:(1989年12月末~2018年1月16日)

みや:このころ、どうして日経平均は上昇したのですか?

くぼた:日本は「世界景気敏感株」で、世界経済に先駆けた値動きするんだ。なぜならば、日本は「製造業」の比率が高いから。そして、「世界全体が好景気」の今、外国人投資家が日本の株を買っているんだよ。

みや:世界が好景気だと日本の株価は上がるのですね。つまり日本は、世界景気に左右されるってことか。ところで、外国人ってどんな人なんですか?

くぼた:海外の年金や国家のお金を運用している人だよ。「機関投資家」とも言われるね。だから購入金額が多く、株価に影響が出るんだ。

みや:なるほど!…でもなんで世界の景気がいいんだろう。

景気がよくなる仕組みってあるの?

くぼた:原油などの資源が安くなると景気はよくなりやすいよ。下の表を見ると2016年1月から3月まで大幅に下がっているよね。モノを作るときの原料の値段が下がることはメリットだよね。

注:WTI原油先物は2000年1月ー2018年1月16日まで、楽天証券経済研究所が作成

みや:でも2016年ではなく、2017年になって景気がよくなっているっていわれてませんか?
くぼた:原油が下がった直後は、それまで高値購入した在庫を保有しているから、あまり恩恵を受け入れられないんだ。その後にリバウンドがあり資源安のメリットが受けられるようになるんだ。これが、景気が回復している原因なんだ。

くぼた:注意しなくてはいけないのは、景気は循環するということ。下の図から株価のピークの数カ月後に景気ピークになっているが多いことがわかるね。つまり、2019年に景気ピークがくると考えると、景気を先回りする日経平均のピークは2018年半ばになるのではないか、と見ているよ。

出所:景気ピ-ク・ボトムの判断は内閣府、株価に大きな影響を与えた景気変動のみ選別して表示

みや:北朝鮮などリスクはあるし…日経平均もどうなるかはだれもわからないですよね。ああ、投資情報を毎日分析なんて面倒くさいなあ。

くぼた:平日毎日朝の8時に「3分でわかる!今日の投資戦略」で最新情報を伝えているよ。通勤時間にこれだけでも確認するといいかも。

 

みや:はい! 日経平均が上昇した理由もわかったし、これからの注意点も理解できたから少し安心して投資をはじめられそうです! 今日はありがとうございました!