1月18日:18年に乗用車市場の小幅の加速を予想、競争力の強い地場系ブランドが有望
中国の乗用車販売台数は2017年に予想以上に低調だったが、BOCIは18年について小幅の加速傾向を予想している。価格帯別では中高価格車種の好調と低価格車種の低迷が続くとの見方。ハイエンドからローエンドまで全価格帯で競争が激化する見通しを示した。中国の独自ブランドの高級化と中外合弁(外資系)ブランドの低価格化が進む中、この両グループが真っ向から競争する展開を予想。特に製品ラインナップのバランスや競争力、技術力、スケールメリットに優れた国産ブランドが長期的な勝ち組になり得るとした。一方、注目の新エネルギー車(NEV)に関しては、販売急増を見込みながらも市場主導の自律的なNEVブームには至っていないとし、本格的な競争局面の形成までには時間がかかるとの見方。NEVの投資機会は到来していないとしている。
セグメント別に見ると、BOCIはまず、SUV市場に関して18年の競争激化を予想。15万元以上の中高価格帯の販売台数が前年比15%以上伸びるとする半面、15万元を下回る低価格SUVに関しては一桁台前半から半ばの低成長を見込む。
MPVについては、従来型の低価格車種が18年に持ち直す可能性はないとしながらも、ビジネス用、ファミリー用として有望な中高価格帯に対して楽観的。ただ、“ブルーオーシャン(未開拓市場)”との表現で同市場の潜在力を指摘しながらも、現時点では競争力の高いモデルが見当たらないとしている。
高級車市場について、BOCIは18年も好調を維持するとの見方。アウディの再攻勢や2線ブランドによる高級車部門の強化が一段の競争激化につながる見通しという。
中国市場では外資系合弁ブランドの低価格志向と国産ブランドの高級志向が進み、両者の境界線が曖昧になりつつある。国産ブランドにとっては高価格帯市場への参入や製品ミックスの優良化に向けたチャンスが到来しているという。BOCIは中国の独自ブランドの成功のカギとして、製品の競争力や総合的な技術力、スケールメリットを挙げた。
一方、新エネルギー車販売は17年に77万7000台と、予想以上のペースで急増した。BOCIは20年に200万台、25年に700万台との政府予想は「達成可能」としつつ、現時点では、市場主導のNEVブームは到来していないと指摘している。
18年の乗用車市場の出足は17年比で改善傾向にあり、BOCIは1-2月に前年同期比約10%増を予想。通年では前年比3%増を見込む(17年は同1.4%増)。
昨年12月の乗用車販売の低調や、今後の新車需要の減速懸念、競争激化懸念などから、年明け以降2週間にわたり、自動車銘柄の多くは全体相場をアンダーパフォームしている。ただ、BOCIは一部銘柄が1月末から2月前半にかけて抜け出すと予想。個別ではメーカーの吉利汽車(00175)、ブリリアンス・チャイナ(01114)や、部品メーカーのネクスティア(01316)、福耀ガラス(03606)を有望視している。
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