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 米国では、11月下旬の感謝祭翌日から12月24日のクリスマス・イブまでのセール期間を『年末商戦』 と呼びます。最近ではセールの開始日が前倒しされる一方、クリスマス後も年末までセールが実施されることから、11月と12月の2カ月を『年末商戦』と呼ぶことも多いようです。なかでも百貨店にとっては、この2カ月間で年間売上高の約24%をあげる書き入れ時です。それだけに注目も集まりますが、昨年の『年末商戦』は活況でした。

 

【ポイント1】良好だった2017年の『年末商戦』

オンライン売上高も事前予想通りの高い伸び

■全米小売業協会(NRF)によれば、2017年の『年末商戦』売上高(11月と12月の売上高合計)は6,919億ドル(約76兆円)、前年同期比+5.5%の増加となりました。

■NRFによる事前予想の6,788億ドル~6,820億ドル、同+3.6%~+4.0%増を上回りました。前年同期比の伸び率としては、2005年の+6.2%以来の高さです。品目別では家具、家電等の販売が好調でした。

■一方、商戦期間中のオンライン売上高は同+11.5%増の1,384億ドルとなり、NRFの事前予想である1,377億ドル~1,426億ドル、同+11%~+15%のレンジ内に収まりました。

 

【ポイント2】良好な雇用・所得環境が消費者の財布の紐を緩める

消費マインドが上向く

 

■良好な雇用・所得環境が、消費者の財布の紐を緩めたと見られます。

■実際、2017年の米非農業雇用者数は月平均+17.1万人、直近3カ月(10月~12月)に限れば同+20.4万人のペースで増加しています。失業率は2017年12月時点で4.1%と、ほぼ完全雇用と考えられる水準まで低下しました。雇用が良好なことから、消費マインドも上向いています。

 

【今後の展開】生産→雇用・所得→消費の好循環が続く米国経済

■『年末商戦』の結果が公表された2018年1月12日の米国市場では、堅調な消費関連の統計や上振れした消費者物価統計の公表を受け、国債利回りが上昇(国債価格は下落)しました。ただし、想定以上の物価上昇は、『年末商戦』という季節要因の影響による衣料品価格等の上振れが原因であり、一過性のものと見られます。

■米国経済は、生産の増加が雇用・所得の拡大を通じて消費を押し上げ、それが生産のさらなる拡大を促すという好循環にあります。

■今後は減税による消費押し上げ効果も見込まれるため、利上げの継続が予想されます。もっとも、物価の動向を踏まえると、利上げの速度は緩やかと考えられます。