17年の販売台数は63%増の125万台、18年も「飛躍の年」に

現地コード 銘柄名
00175  吉利汽車
(ジーリー・オートモービル)
株価 情報種類
 27.75HKD
(1/9現在)
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 吉利汽車の2017年通期の販売台数は前年比62.8%増の125万台に達し、同社の上方修正後の目標台数(110万台)およびBOCIの予想(120万台)を上回った。同社は続く18年に、「吉利」ブランドのニューモデル5種以上と、ボルボのプラットフォームを利用した新ブランド「Lynk&Co」2種を相次いで投入する予定であり、BOCIは18年がさらなる飛躍の年になるとの見方。中国国内の低価格車市場ではこの先、販売台数、価格の下押し圧力が強まると予想しながらも、スケールメリットや製品構成などの点で、「吉利」ブランドは同業他社より有利な立場にあるとしている。また、同社の高付加価値化や19年の利益成長につながるとみて、「Lynk&Co」ブランドに対して極めて楽観的。販売増見通しを反映させる形で、17-19年の予想純利益を2-3%上方修正し、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社の12月の販売台数は前年同月比41.9%増の15万3625台。通期では124万7116台に達し、自社目標、BOCI予想をいずれも上回った。発売後最初の月に当たったLynk&Coの第1号モデル「01」の販売台数は6021台。ベストセラー・モデルとなった「博越(Boyue)」以上の好調な出足となった。

 経営陣はLynk&Co を含む18年の販売目標を158万台(前年実績比で約27%増)に設定した。BOCIは既存モデルの競争力の高さや強力なニューモデルの投入計画を理由に、この数字は十分達成可能との見方だ。BOCIは吉利ブランド限定の18年の販売予想を140万台から145万台に上方修正。Lynk&Coに関しては18年に20万台、19年に48万台との予測を据え置いている。市場の好反応や生産力の増強がLynk&Coに対する強気見通しの理由という。

 18年には吉利ブランドの7モデル、Lynk&Coの2モデルが投入される可能性があり、BOCIによると、同社の製品レイアウトのバランスが一段と優良化する見込み。まず上期中に投入される可能性が高いのは、Lynk&Co「02」、「博越クーペ」、「博瑞(Borui)GT」(主にプラグインハイブリッド車)。続いて下期には、Lynk&Co「03」や「SX11」、「F1-6」、さらにMPV1車種と、2つのEV(電気自動車)モデルが登場する見通しという。

 BOCIは優れた技術力や製品候補のラインナップ、将来的な成長見通しを理由に、同社株が同業銘柄を上回るバリューエーションに値するとの見方。18年、19年予想PERでそれぞれ20.5倍、15.7倍をあてはめ、目標株価を据え置いた。一方、現在株価は18年、19予想PERで14.5倍、10.9倍の水準。BOCIは同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。