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 1月9~12日、米ラスベガスで世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されました。CESは毎年1月にラスベガスで開催されており、当初は家電製品が展示の中心でしたが、最近ではインターネット関連や自動車関連などに対象が広がってきています。CESではその時代を反映する技術や製品が紹介され、今年は『AI』に関連する展示や『5G』が話題となりました。

 

【ポイント1】今年のCESでは『AI』に注目!

『AI』による音声アシスタント機能と連携する商品・サービスに注目

■今年のCESで話題となったのは『AI(人工知能)』です。『AI』はここ数年、囲碁の対戦でプロ棋士に勝利したり、自動車各社が『AI』を活用した自動運転技術の進化を競うなど、急速に拡大しています。

■こうした中、今年のCESでは『AI』による音声アシスタント機能と連携する商品・サービスが注目されました。例えば、音声アシスタント機能を搭載した「AIスピーカー」は、話しかけるだけでIoT(モノのインターネット)により連携する様々な商品やサービスを利用でき、CESでは多くの商品が展示されました。

 

【ポイント2】各社が『AI』を活用した商品・サービスを発表

『AI』の進展に不可欠と見られる『5G』にも注目

 

■『AI』の音声アシスタント機能を活用した具体例には、韓国のLG電子が米グーグルのグーグルアシスタントを搭載したテレビを発表したり、パナソニックが車載器に米アマゾン・ドット・コム(アマゾン)のアレクサを搭載することを発表したことなどが挙げられます。

■また今年のCESでは、次世代通信規格『5G』も注目されました。 『5G』は、現在の「4G」と比べて高速・大容量化が可能なことや、データのやり取りが瞬時に行われることで遠隔操作に適していることなどから、自動運転など『AI』の進展により可能となるサービスの実用化には不可欠と見られています。

 

【今後の展開】アマゾンとグーグルの2強を、中国・百度などが追いかける

■今年のCESでは、紹介された商品・サービスの多くが、アマゾンとグーグルの音声アシスタント機能を活用するなど、両社の存在感が示されました。一方、CESへの参加企業数を見ると、全体の約4,500社中1,500社超が中国企業となり、中国企業の参加は2011年の400社程度から約3倍となるなど、中国企業の存在感が高まってきています。なかでも、百度(バイドゥ)などは、中国政府の『AI』やビッグデータに関する国家戦略の後押しもあり、『AI』の開発などにおいてアマゾンやグーグルに迫ってきています。今後も、アマゾンとグーグルの2強に加え、中国企業などによる『AI』の開発動向と、それにより提供される新たな商品・サービスに注目です。

※個別の商品及び関連企業に言及していますが、これらを推奨するものではありません。